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｢ふー、美味しかった｣
スタジオを出て楽屋に向かう。
すると遠くからヒールの弟が聞こえてきた。
なんか嫌な予感がする。
案の定、私の目の前には予想どうりの人物がいた。
｢お久しぶり。なかなかいい感じみたいね｣
｢社長……｣
今一番会いたくない人と言っても過言ではない。
ここに来たということは何か私に言いに来たはず。
その言葉はきっと大我くんを裏切るもの。
できることなら逃げ出したい。
自分の気持ちに正直になりたい。
｢私がここに来たってことはどういうことか
わかるでしょ？｣
｢……はい｣
｢もうそろそろいいんじゃないかしらと思って｣
怖い、次の言葉を聞くのがすごく怖い。
｢次の金曜日ってクリスマスでしょ？
だから週刊誌の人に撮ってもらおうと思って
あんたたちの熱愛写真を｣
ついにこの時が来てしまった。
来ないでと願い続けたこの時が。
｢嫌です……私はこれ以上大我くんを裏切りたくない｣
｢はぁ？何言ってるの。ここまできた以上は
最後までやってもらうからね｣
｢じゃあ、もうアイドルやめますっ！｣
｢それは認めないわ｣
｢…………どうして……｣
自分がもっと売れてたら、こんなことにはなら
なかったのかな。
不甲斐なさに涙が溢れてくる。
こんなに辛いなら大我くんに会わなければ良かった。
｢このくらいで泣いてたら、この先苦労するわよ
……芸能界は何があるか分からないんだから｣
｢でもっ……これはあまりにも……｣
残酷すぎる。
私は大我くんと話せるだけで、大我くんの笑った顔が
見れるだけでいいの。
大我くんの特別になれなくてもいいから。
＿＿＿＿傍に居させて。
｢もうこれは決定事項よ。今更中止できないことなの
あなたが嫌でもこっちはあらゆる手段を使って
撮ってみせるから｣
社長は崩れ落ちた私を見下ろして帰って行った。
｢…………っ｣
声を押し殺して涙を流す。
刻一刻と大我くんとの別れの時が近づいていた。
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すず(プロフ) - くるみさん» ありがとうございます!!ぜひきゅんきゅんしちゃってください笑これからも楽しんでいただけるように頑張ります！ (2021年3月9日 22時) (
レス) id: 9dcddaef74 (このIDを非表示/違反報告)
くるみ(プロフ) - いつもキュンキュンしながら読ませてもらっています！続きめちゃめちゃ気になります。これからも頑張ってください。 (2021年3月9日 14時) (レス) id: eca9d0649e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：すず | 作成日時：2020年12月20日 13時
