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「北斗、最近なんかあった?」
北斗の様子に疑問が呈した私はその理由を
聞かずにはいられなかった。
「……なんにもないよ」
ほら、
そう言ってまた苦しそうに笑う。
北斗の苦しみが伝播したように私の胸も痛んだ。
「そっか…………」
そう呟くことしか私にはできなかった。
聞かない方が良い気がした。
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あれから再び他愛もない話をしながら歩く。
「そいえばさ、今度仕事一緒らしいよ」
「北斗もなの?困ったら助けてね」
「いいけど料理対決らしいから無理かも」
北斗のけち、と呟くとAちゃんも前けちだったじゃん
と返されて何も言えなくなる。
そんな私を見て北斗はくすくす笑ってた。
北斗と話してると楽しいな。
程よい距離感がちょうどいい。
そしてあっという間に駅に着いた。
「そろそろばいばいだね」
そう言って足を進めようとした時、腕を引かれた。
「ね、もし俺が連絡先交換したいって言ったらしてくれる?」
北斗が子犬みたいな瞳で訴えかけてくる。
いや、かわいすぎるんですけど。
絶対本人かわいいって自覚済みでしょ。
「全然する、けど、いいの?私なんかで?」
「Aちゃんがいーの」
頬をふくらませる北斗。
頑固な子供みたいでくすりと笑みが溢れる。
仕事用のスマホを取り出して連絡先を交換した。
北斗は嬉しそうにスマホの画面を見つめている。
そっか、北斗って友達少ないんだったっけ。
優しいしかっこいいから友達多そうだけどな。
「じゃあ、またね」
「うん、ばいばい」
北斗に手を振って別れた。
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すず(プロフ) - くるみさん» ありがとうございます!!ぜひきゅんきゅんしちゃってください笑これからも楽しんでいただけるように頑張ります! (2021年3月9日 22時) (レス) id: 9dcddaef74 (このIDを非表示/違反報告)
くるみ(プロフ) - いつもキュンキュンしながら読ませてもらっています!続きめちゃめちゃ気になります。これからも頑張ってください。 (2021年3月9日 14時) (レス) id: eca9d0649e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:すず | 作成日時:2020年12月20日 13時