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莉「どうする？みんなが見てるところで、本人呼んで名前で呼んでみる？」
田「そんな公開処刑みたいなこと絶対やだ！無理！」
ジ「じゃあ今日帰り2人の時に、バシっと言っちゃえ〜！」
なんてジェシーは簡単に言うけど、俺にとってはめちゃくちゃハードなことで。
好きな子名前で呼ぶのってこんなにドキドキするもんなんだ。
今まで女子の名前なんて普通に呼べてたはずなのに、全然普通になんてできない。
なんなの？俺ってば意外とピュアなの？
莉「私が思うに、Aは言えば案外ケロッと言ってくれると思うよ」
松「たしかに。あんま恥ずかしがるタイプでもなさそうだし」
莉「あと田中くんが名前で呼んだとしても、そこまでリアクションしなさそう」
森「あれ名前呼びだ、どしたの？とかっていいそうだよな」
田「そんな予想立てとかしなくていいから！それ通りになった時なんか悲しくなるからやめろよ！」
こんな感じで、すっげーグダグダで終わった緊急会議。
結果なんもいいアイディアはもらえなかった。
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「……怖い顔してるけど、なんかあった？」
心配そうに顔を覗き込んでくる矢田さん。
あれから解散して、矢田さんを別室まで迎えに行ってそのまま帰ってるんだけど、いつ、どの、タイミングで言おうかをめちゃくちゃ悩んでいたら心配されてしまった。
田「あ！いやっ、なんも…大丈夫」
「本当に？ならいいけど…」
あまり納得してなさそうな顔の矢田さん。
言うなら、今か？
もうタイミングとか考えてたら、言わずに終わってしまいそうなのが想像できてしまって。
おい、俺、男だろ。
ビシッと彼女の名前くらい呼べよ！って自分を奮い立たす。
田「あ、あのさっ……A」
言った。言ったぞ俺は。
ていうか、案外すんなり口から出てきた。
こんなすんなり言えるならもっと前からアクション起こせよ自分。
彼女の反応はどうだろうか。
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「え、あのっ、え、待って……い、今！」
めちゃくちゃ動揺してるんだけど。
さっきの予想立てを見事に崩してくれたよ。
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作者名：ちゃん | 作成日時：2021年7月29日 7時
