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「あ、慎太郎いた」
次に見たのは、学年集会から1週間くらいした後。
ロッカーで次の授業の準備をしていたら、彼女がやってきた。
「英語の教科書、ありがとう」
森「いえいえ〜」
「教科書開いたら落書きされたトム出てきて、私思わず笑っちゃってクラスのみんなに変な目で見られた」
森「あちゃ〜！トム見ちゃったか〜！」
「ねえもう本当に最低(笑)」
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え、待って待って待って。
笑った顔めちゃくちゃ可愛いんですけど。
さっきまであの無表情だったのに、突然ヘラっと表情が崩れて。
笑った顔を見てバカみたいに心臓がバクバク言ってる。
やば、口から出てきそう。
「じゃ、私戻るね」
森「ほ〜い、また忘れたらいつでも貸すから！また教科書に笑いを仕込んで待ってるわ！」
「絶対に忘れないようにするから」
自分のクラスへと戻っていく彼女の背中をボーッと見つめてしまう。
俺の他にも、きょもと高地がいたのに全く見向きもされてなかった。
……まじで他人への興味関心ゼロじゃん。
森「樹？どうした？ボーっとして」
「……無謀な恋、しちゃったかも」
高「恋！？って……え！？まさかお前、」
森「えっ！？まさかAに！？」
田「あ゛〜〜〜〜！！！どうしよう！！」
天地がひっくり返っても報われそうにないこの恋。
高校1年の初夏、俺は廊下で頭を抱えた。
おわり
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作者名：ちゃん | 作成日時：2021年7月29日 7時
