好きになるなんて

さんじゅう ページ30

松村ママの言った通り外は午前中なのにすごく暑くて、これは後で飲み物買い足さなきゃなって思ってしまうほどだった。






始まった体育祭。
最初は男子の100メートル走から。


ちょうどその種目の記録係の私は、ゴールのところで選手たちが走ってくるのをポケーっと眺めてる。





クリップボードに挟まれた走者表に順位を付けて、タイム係の人からタイムを聞いて記入してく。

最初の1年生のレースはワタワタで慣れてなかったけど、だんだん慣れてきてもうその道の人みたい(自分で言わないで？)









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1年生が全員終わって、お次は2年生。
2年生の走者表を見ると、最終レースには見知った名前がちらほら。



うちのクラスの松村くんに、4組はなっちゃんの彼氏だという4組の高地くん、5組の慎太郎に、6組の田中くん。


松村と愉快な仲間たちが3人もいるじゃないか。
ここのレースは女子の歓声が凄いんだろうなあ。









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最終レースは凄かった。
女の子たちの歓声もそうだけど、ほぼ4人同時ゴールって感じで。

残された2人が少し可哀想だった。
まあ、誰かもわからないんだけど…









タイム係の人が困ったように私の方を見てくるから、駆け寄ると……









「どうしよう、4人同タイム…」





「え゛、そんな事あるんですか！？」





「きっとプロのスコアラーなら振り分けれるんだけど、なんせ俺この日限りのスコアラーだから…」









 

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