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深夜23 ページ25

さとみside


仕事が終わってお弁当箱を返しにAちゃん家に行った。

でも、部屋の電気ついてない…


まだ帰って来てないのかな、

あ、バイトかな。



ちょっと遠いところでAちゃんが早歩きしてるのが見える。

…迎えに行くか。



さとみ「あ、Aちゃん!」


手を挙げて近寄ると、今にも泣きそうな顔で


『桃里さんっ』


なんて言うから、何かあったのかな。



さとみ「家の前で待ってたんだけど、バイトだっ
たんだね〜」

『そうなんですよ〜』


ニコニコしてるけど、すごく怯えた目をしてる。



さとみ「Aちゃん、どうしたの?」


ちょっと遠回しに聞いてみる。


『え、なにがですか?』

さとみ「暗いの怖い…?」

『私そこまで子供じゃないですよ笑』


誤魔化さないでよ。



さとみ「じゃあ、なにがあったの??」


そう言うと、観念したかのように


『…つけられてます。』


なんて言った。

なるほどね。


だから、こんなに怯えてるのか。



俺はただ、Aちゃんを守るためだけに、肩を抱き寄せて歩き出した。



さとみ「俺がいるから。」



Aちゃんを見て言った。

俺のそばで安心してほしくて。



さとみ「…つけられる心当たりとかある?」

『そんなの、あるわけないじゃないですか、』


小さな体を震わせてそう言った彼女は、とても愛おしくて、俺はもっと引き寄せる。


さとみ「怖いよね、ごめんね」

『なんで桃里さんが謝るんですか笑』

さとみ「俺がバイト先で待ってたらこんなことに
はなんなかったから、」

『大丈夫ですよ。来てくれたじゃないですか』



「桃里さんは私のヒーローです」なんて言って笑った彼女は今にも消えそうで、いなくならないでほしくて、

立ち止まって抱きしめた。



『も、桃里さん…?』

さとみ「ごめん。少しだけ、このままでいい?」

『は、はい…』



ほんの少し前に知り合っただけなのに、Aちゃんがいなくなるのが嫌で嫌で、いなくなるのを想像しただけで涙が溢れてきた。



『泣いてるんですか…?泣かないでください…』

さとみ「ごめん、ごめんね。」


Aちゃんは無言で背中を撫で続けてくれる。


さとみ「お願いだから、いなくならないで。」

『何言ってるんですか‪笑 どこにも行きません
よ。』

さとみ「うん、うん。」



あぁ、俺ほんとにダメダメだな。

Aちゃんの前だと弱くなっちゃうみたいだ。

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設定タグ:すとぷり , さとみ , 自傷癖   
作品ジャンル:恋愛
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夜瑠 - いつも読ませて頂いてました!開いたら更新停止になっててちょっと悲しい。続き更新出来るようなら楽しみにしてます!他の作品も見てみますね、応援してます!! (2019年10月27日 19時) (レス) id: 1b72090556 (このIDを非表示/違反報告)
くろり - 実は僕も自傷癖があるんですけどさとちゃんにとめられてるみたいなかんじあって心が揺らぎました(笑)更新楽しみにしてます! (2019年10月10日 1時) (レス) id: ac540e631b (このIDを非表示/違反報告)
なる(プロフ) - あいろさん» あああありがとうございます!!!そんなこと言って貰えて嬉しい限りです!!更新頑張ります!! (2019年9月2日 16時) (レス) id: c608e55016 (このIDを非表示/違反報告)
あいろ - うわぁぁぁぁぁぁ!素敵な作品すぎます! (2019年9月1日 21時) (レス) id: 7961ad3a74 (このIDを非表示/違反報告)
なる(プロフ) - るのさん» ええええ!!!ありがとうございます!!もうほんとに、励みになります!更新頑張ります! (2019年8月29日 22時) (レス) id: c608e55016 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:子犬子猫 | 作成日時:2019年8月19日 5時

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