おでこに優しいキスをして【4】 (ページ8)

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コンコン

樹「どーした？」

『今日一緒に寝ていい？』

樹「いいけど…なに？急に」

『やった！』

渡された2人分のコーヒー

Aは隣の自分の部屋に消えていって

枕を持って俺の部屋に戻ってきた。

樹「なんかあった？」

『ふわふわベッドで寝たくなっただけ』

樹「俺まだ仕事残ってる」

『いいよ、みとくから』

樹「寝ていいかんな」

ひとつ仕事を終わらせて

俺もベッドに行こうと目を向けると

Aは、ぱっちり目を開けてこっちを見ていた。

再開したてのあの頃を少し思い出す

「起きてたんか」

『トイレ』

「1人で行ける？」

『ばか』

ベッドに横になってスマホを触る

なんか今聞けそうじゃない？この感じ

コーヒーを持ってきたってことは多分

Aもすぐに寝る気はない

『入れて』

ベッドの中に入ってくるAは

俺を抱きしめるようにひっついてきた。

可愛い

『じゅり』

「んー？」

『怖い』

「え？」

思ってもなかった言葉をAが言う

『ねぇ、なんで私を買ったの？』

またも思ってもなかった質問が飛んでくる

「なんでそんなこときく？」

『この前書類見つけた。私を買った契約書？みたいなやつ』

あれリビングに置いてたんだっけ？

Aが掃除をした時に見つけたらしい。

自分たちの管理が甘かったのが悪いけど最悪

『しかもあんな高額で、人ってあん高いの？』

「Aは特別」

『なんで？』

「しらなくていいよ」

『知りたいの。お願い教えて』

知りたいAの気持ちもわかる

でもこんな形で言うことになるとも思ってないし

なんて伝えらばいいのか

頭の中はフル回転していた。

「なんで俺に聞くの？」

『樹は嘘つかないしなんでだろ、樹から聞きたいの』

そう言われて決心した。

みんなごめん。

今だと思う。

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