重力と呼吸 (ページ46)

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後を追ってリビングに入るとテーブルには綺麗に盛り付けられた食事が並んでいる

黒「…樹のじゃなくて、俺の食べて。………頑張ったから」

桃「ラジオ聴いてたの？」

黒「大我の日だから………いつも全部聴いてる……」

ぶっきらぼうに言うくせに、樹にはしっかり対抗していて牽制もするし

こんなに美味しそうなご飯まで作って待ってたの？

桃「そうなんだ…」

黒「や、あの、…あの時はごめん………言い過ぎた…」

♪〜〜〜

お風呂が沸いたこと知らせるアナウンスが鳴り響いて、思わずビクッと肩を揺らして驚いた

黒「………ご飯食べたら入っていいよ」

さっきからずっと、しゅんとしている犬を見ているみたいで

そんな姿が珍しいせいか面白いけど、とんでもなく可愛い北斗に我慢できなくてぎゅっと抱きついた

黒「うおっ…」

桃「北斗、俺もごめんね。意地になっちゃってた」

黒「んーん、全然。」

さっきよりも強く抱き締めてくれる北斗に擦り寄って、匂いをすうっと吸い込む

黒「寂しかったよ」

桃「連絡無視しちゃったのも、ごめんね」

少ししか身長は変わらないのに、俺をすっぽり収めてくれるこの腕の中がやっぱり一番心地良い

桃「もうお風呂入ったの？」

黒「シャワーだけね」

桃「じゃあ…ご飯食べ終わったら一緒にお風呂入ってくれる？」

甘えたように言うと片方の口角をくい、と上げて俺を見下ろした

………あ、

黒「いいよ、お風呂入って一緒に寝よう。前出来なかった分、大我のこと堪能したいし」

桃「…その顔、やめて。」

北斗の胸から離れて椅子に座り、用意された食事に手を付ける

黒「樹に威嚇しちゃったから、後で謝っとかないと」

仲直りした後って、やっぱり、……燃えちゃうもんなんだな

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