重力と呼吸 (ページ44)

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気安く誘ってんじゃないよ（黒桃）ページ44

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青「きょも、ごめん！」

ラジオ終わり、突然両手を合わせて渋い顔をしながら謝ってくる樹の真意が俺は分からない

桃「なにが？」

青「いや、なんか色々誘っちゃったじゃん俺」

桃「ただのパフォーマンスでしょ、面白かったよ？」

アイドリングトークというか、ラジオの為の会話だし

作家さんも笑ってくれていたから何の問題も無いはずなのに樹は気まずそうな顔をしている

桃「あ、途中からめちゃくちゃ引いてきたこと？分かってるから大丈夫だよ」

青「いや、それが…北斗が」

桃「誰そいつ、知らない人！」

名前を聞くだけでモヤモヤする、モヤモヤというよりムカムカ

今日は楽しかったのに…一気に気分が下がった

青「まだ仲直りしてないの？」

桃「樹うるさいよ、黙って」

3日前、俺が北斗のお家にお泊まりした時洗面所の鏡を汚してしまって

慌ててタオルで拭こうとしたところを北斗に見つかってめちゃくちゃに怒られたんだ

普通こんなんならないとか、大我のこういうとこがおかしいとか、何時になったら直るんだとか

悪いと思ったし綺麗にしようとしてる時に後ろからガミガミと文句を言われて、最初は申し訳無いと思って黙っていたのにおかしいやら有り得ないやら……

そんな言うなら、じゃあもう俺はおかしいから北斗の家には二度と泊まらない、とその日は北斗の言葉をフル無視してタクシーで自分の家に帰った

すぐに「戻ってこい」と連絡が来たけどそれにもイライラして、未読のまま今も放置している

北斗は北斗で、翌日仕事で顔を合わせても直接話しかけてくるわけじゃないし、俺が未読だからか追って連絡してくるわけでもない

もうこのまま別れるかもしれないね！って樹に愚痴ったのがその日の仕事終わり、北斗が次の仕事で早々に楽屋を出ていった時だった

青「もー、きょも、とりあえず今日は俺も送って貰うから一緒に帰ろ。先にきょも降ろしてもらうから」

桃「………次アイツの名前出したら樹のことぶっ飛ばすから」

青「ええ……」

樹と一緒に回してもらった車に乗り込んで、今日のラジオは良かったねなんてたわいもない話をしていた

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