重力と呼吸 (ページ37)

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イレギュラー（黒桃）ページ37

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桃「着いたら起こして」

車が動き出すと大我は一言そう言ってから窓に頭を預けて瞼を閉じた

『きょも眠いの？』

黒「うん、昨日も付き合ってもらったし」

『またダラダラ話してたんでしょ。可哀想に』

黒「いや、めちゃくちゃ喜んでた」

途端、右足を凄い力で思いっきり踏まれる

どんなに可愛くてもやっぱり男

痛みに一瞬息が詰まった

黒「いっ、…まあちょっと無理やりなとこあったかも」

『寝不足になるくらいの長話ってどんなの？』

黒「仕事の話もプライベートの話も、何でも話してた」

『へえ。じゃあ彼女の話とかも？』

黒「え、俺彼女居るように見える？」

『まあ、結構前からちょっと雰囲気変わったから』

黒「だぁくん鋭いね」

『やっぱ居るんだ。教えといてよそれ、色々面倒なことになったときの為にも』

黒「…そうだね、遅くなった」

『ははっ、気をつけてくれればいいけど。最近会えたりしてるの？』

黒「んーまあ一応。満足は出来てないけど」

『そっか。北斗面倒臭いし彼女さんも大変そうだね』

右隣から振動を感じて、ちらっと横を見ると目を閉じたまま笑いを堪えるために震えている大我

黒「おいこら俺の恋愛面の何を知ってるんだよ」

『雑誌では結構ドライなこと言ってるけどねちっこいじゃん。伊達にマネージャーやってるわけじゃないんすよ』

黒「…ねちっこくはないと思うけど」

確かに、マネージャーには色々なことがすぐにバレるし

車の中だと独り言を言ってしまう癖もある

俺の精神状態もそこである程度は把握出来てるのかもしれない

また隣を見ると大我が横に首を振っていた

どういう意味？何に否定してる？ねちっこくないってのに？

はぁ？

『でも調子良さそうで良かったよ』

黒「今日の夜も彼女に癒やしてもらおう」

だぁくんから見えない位置で大我の手を握る

すると目を見開いて焦ったように視線を彷徨わせ始める

『今日も？』

しくった。大我はこれで慌ててたのか

黒「昨日も京本と会う前に彼女と会ってたからさ」

『へえ〜。甘えさせてもらってんだ』

黒「そこはどっこいどっこいだよ」

『2日連チャンで会えるのに満足できないって……あ、もうそろそろ着くよ』

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