重力と呼吸 (ページ31)

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服だって、今日は北斗のものだ

アイツ、服の共有はしたくないって言ってたくせにきょもになるととことん甘いんだな

…俺も人のこと言えた口じゃないけど

黒「でも俺が帰ってくるまでどうすんの？同じ屋根の下で共存出来ないでしょ？」

桃「そしたら誰かの家行く。慎太郎とかジェシーとか」

黒「そんなの絶対ダメ。せめて実家であれよ」

北斗はきょものことをもう完全に俺のもの状態

満更でもなさそうなきょもはずっと笑っているし

メンバーはそれぞれ、そんな2人を穏やかに見守っている

赤「なんかいいなあ、2人」

こそこそと、俺の隣でぼやくジェシー。

2人が付き合ったことを知ったとき、ジェシーが1番喜んでいた

こんなにくっついてるのバカレアのとき以来だ、なんて嬉しそうに

青「…そうだね」

俺の望んだ恋が死んだのと同時に、2人の幸せが確約されたのだから

複雑な気持ちのまま、ちゃんと本心の肯定をする

赤「大我がメンバーで付き合うことがもしあるなら、それって樹だと思ってたんだよね」

青「え？」

赤「大我は樹のこと信頼してるし、樹に頼み事するのだって1番多かったし。」

青「…そうだっけか」

そうだよ、とジェシーは困り眉で切なそうに俺に笑いかけた

赤「それに樹、大我のこと好きでしょ？」

触れていいのかわからないけどって顔して

確信をついてくる

気遣ってるようで遣えてないんだよ、中途半端だよそれは

グループの大黒柱が大事なメンバーの傷心を抉ってくるなんて恐ろしすぎるだろ

青「…可愛いからね」

赤「ハハ、そうだね。樹は可愛い子好きだもんね」

青「そういうこと」

きょもの隣は叶わなかったけど

俺はいつまでもきょもが大切だから

北斗と喧嘩したら、俺が何でも話聞いてやるし

何か困ったことがあって、もし北斗を頼れないときがあるようなら俺がいつでも手を貸すし

何があったって味方で居るし、信じてるよ

桃「ねーもう樹、北斗が酷いんだけど」

黒「待ってくれよ可笑しいだろ」

これからも、俺がきょもの1番の相談相手でありたい

その関係性だけは絶対に誰にも譲るつもりないから

青「北斗の鞄に毎日1本駆除スプレー入れといてやるよ」

黒「超、ありがた大迷惑」

きょもにこんな幸せそうな顔をさせられる北斗になら、敵わなくてもいいやと思った

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