重量級 (ページ8)

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何でも拗らせちゃう俺がこんなこと言えちゃうってことは…違うな、拗らせすぎて何周も回って自分に可能性が無いことを弁えた上で幸せ願っちゃってたりするのか。とんでもない、もしそうなら重すぎて逆に軽いまである。それはもう、そのまま天まで昇れそうな勢いで。

「昔さ、急に避けられたと思ったら白々しく接してきて、目合ったら逸らされるし、俺がふざけてると不愉快そうにしてくるし楽屋も俺が居るの見たら逃げるみたいに他のとこ行っちゃうし、突然なんなんだよ、ふざけんなって思ったんだけどね。そのあとから北斗のこと観察してたの、どうしてこうなっちゃったんだろうって知りたくて。これから同じグループでやっていく仲間だし、関係修復しなきゃとか義務みたいな感じで」

うん、と震えながら相槌を打つ。あからさまに、その時の俺は京本を嫌いじゃないか。どこをどんでん返しな結末にしたら俺が京本を好きだと思う節があるんだろう。誰が見ても俺たちは不仲だった、慎太郎にだって沢山気を遣わせた。なのになんで？

「北斗、ずっと嫉妬してたんじゃない？俺が誰かと居ると嫌な顔して、でも近付くのが怖くて一人な俺を避けて。相当自分勝手だし、俺はそれに振り回されたよ。北斗と目が合うと嬉しいし、逸らされたら悲しくなる。わかる？」

……………わからない、わからない。俺が嫉妬？まさか。世間からはそう思われてるかもしれない。嫉妬が重くて、束縛するような、何か突き放されるようなことを言われたらすぐに腹を切ろうとしそうな男だと。仄めかすようなことをわざと言ったりもする。でもそれはあくまで世間からのイメージ、位置付けの為だ。

実際、俺は連絡を返すのが遅いし、相手が今現在何をしているか気にする余裕も無いくらい頭の中は仕事でいっぱいだ。空き時間に携帯を見て返信が無ければ『何やってんだコイツ、お前は俺の友達だよな』と思ったりする仲の人もいるけど、決して催促なんてしない。催促して応えられたりなんかしたら、無責任だけど何かちょっと引いちゃうし、俺はお返しが出来ないから。

だから嫉妬なんてしないし、京本が他の誰かと何をしていようが俺にとっては他人事だし……

「…俺のこと、好きじゃないとかないよね？」

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