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「ふふっ、あひ、あふふ…全然足りてないね」
そう言って腰を曲げて、丈の足りていないズボンの裾をくいくいと引っ張る。
丈の足りていない姿が顔に似合わなさ過ぎて、どうにも笑いが零れてしょうがなかった。
口元に手を当てて体を揺らして笑う。
そうしていたら笑われている張本人だと言うのに、嬉しそうな顔になってまた私に抱きついた。
「初めて笑った〜！！んふ、んふふ、変な笑い方！」
「人のこと言えないよ？格好も変だし」
あー、なんで笑ってんだろ。
てか、なんで抱きつかれても突き飛ばそうとしないんだろ。
もしかして私って絆されやすいのかな。それともこの人が懐に潜り込むのが上手？
そうかも。そうなら、まあいいや。どうせ明日にはいなくなるし。今日だけだし。
八時過ぎ、かぁ……。二限まで寝たい。二時間あるけど、寝れるかなぁ…。
寝つき悪いんだよな、私。
しかも今知らん人いるし。ていうか寝てる間に物盗って逃げたりしないよねこの人。
疑わしきは罰せず、かな。
「いつもこの時間何してるの？てか学生？働いてる？」
「いつも？こんくらいの時間は〜、女の子見送って〜、お留守番してる！」
時計を見ながら、顎に人差し指を当てた首を傾げるあざといポーズ。
素でやってんのかコイツ。
つか信用ならない言葉出てきた。
女の子見送ってお留守番？学生か働いてるかの問いに答えないし。ヒモってこと？
マイナス値だったこの人への印象がゼロに近づいてたのに、またマイナスに戻った。
「私二限から講義出るから、目覚ましくらいは出来る？」
「出来るよ〜。大学生だったんだ？何年生？えらいね」
ぽんぽんと軽々しく頭を撫でるその手を適当に避けて、一年生と答えながらベッドに入る。
ベッドのすぐそばの床にしゃがみこんで、ベッドの縁に手をかけて寝る体勢になった私を見てヒモは口を開いた。
「現役？じゃあ俺の二個下だ」
「二個下……」
どっちが？おれのって…わたしが？
「ぁあええ！！？二個上！？年上！？ってか、二十歳！！？」
思わず目を瞑って寝る体勢になっていたが、バッチリ目を見開いて勢いよく起き上がってしまった。
ちょっとぼんやりしてたのに、脳が覚醒してしまった。
「うん、十二月に二十一歳になるよ」
とピースしているこの人が私より年上？いや、おかしくは、ない…？
でもあんなに子供みたいに泣いて、あんなに情けなく人に縋りついて鼻水つけてくんのに…。
うわ、こんな大人になりたくない。
「ねーねー、君の誕生日いつなのー？」
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?(プロフ) - もちもさん» コメントありがとうございます！！そう言っていただけてとても嬉しいです！今ストックがなくなってしまって更新がゆっくりになってしまいますが頑張らせていただきます！ (11月7日 0時) (
レス) id: c0823c63c4 (このIDを非表示/違反報告)
もちも - 話の内容がめちゃめちゃ私に刺さりまくりで毎回脳が溶けていくような感覚がします笑🫠とっても面白いので続きを期待してます！ (11月5日 19時) (レス) @page28 id: e6a943ec70 (このIDを非表示/違反報告)
?(プロフ) - 翡翠さん» コメントありがとうございます！！そんなことを言ってもらえるなんて想像もしていませんでした！😭めちゃめちゃに嬉しいです💕 (11月1日 2時) (レス) id: 53aaf6ae71 (このIDを非表示/違反報告)
翡翠(プロフ) - お話がどタイプすぎて生きる意味が見つかった気がします＾＾ (10月31日 18時) (レス) @page25 id: 6c0d9e0967 (このIDを非表示/違反報告)
?(プロフ) - さいだーさん» コメントありがとうございます〜！んふふ、二人に振り回されてく展開をお楽しみください！頑張ります〜💪🏻 (10月30日 1時) (レス) id: 53aaf6ae71 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：? | 作成日時：2023年10月17日 2時
