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「だい、じょうぶ。さっきのこと、別に怒ってたわけじゃない、から…。とりあえず今は、服これ貸すので着て」
人を優しく気遣うということが苦手な私なりに、優しい言葉選びをして高校のころの体操服を手渡す。
長ズボンと長袖。暑い、かな。
すると急に体操服を持つ私の手に相手の手が勢いよく重なった。
何する気！？と素早く目を合わせると、相手はキラキラとした瞳で私のことを見ていた。
「いいの！？俺、この服しかなくて困ってたんだよ〜！！このままじゃコンビニにおつかいすらもいってあげられないじゃん？」
そんなお願い、自分で行くからしないよとは何故だか言えなかった。
女子高の体操服だよ？
私が高校時代に着てた古くて汚いやつだよ？
サイズだって大きめに買ったからって思ったけど、合うかどうか分かんないんだよ？
なんでそんな、高級ブランドの服プレゼントされましたみたいな顔で喜べるの？
手を握られていることも忘れて、私は不思議な気持ちだらけで相手の顔をジッと見つめた。
そうしていたら相手は何を思ったのか、体操服ごと私のことぎゅ〜〜っと抱きしめた。
特に理由はないけど、突き飛ばす気になれなくて私はそれを大人しく受け入れることにした。
そしてふいに離れたかと思えば、目の前で唯一の衣服であるズボンを脱ぎだした。
うそでしょ、と思って慌てて後ろを向く。
慌てた私の様子を見てか、後ろから「んふふ」という可愛らしい笑い声が聞こえてくる。
最初から上裸だからって、常識的な恥じらいくらいもってなさいよ…！
呆れにも似た感情で溜息を吐けば、耳裏辺りに柔らかい感触が触れた。
人の温かみがあるそれが髪を擦りながら動く。
「俺、見られて恥ずかしいもんなんてないから、ジッと見てもいいよ」
吐息混じりのその言葉に、また背中にぞわぞわとしたものが走った。
またひくんっと引き攣って、鳴りそうだった喉を抑えるように、唾を飲んで誤魔化したのはバレていないといいな。
背中を向けるのは危険だなんて判断したのは、何分前の私だっただろうか。
結局私は見ないように背を向けたまま、腕を回して体操服を渡した。
特に文句も言わず、揶揄うようなことも言わず、男の人は私の渡した体操服を着た。
受け取っただけで着ないなんて幼稚ないたずらしてないよね、と疑いながら薄目で振り返る。
上の服は相当大きめに買ったので、特に問題なくゆるっとピッタリ着られている。
だがさすがにズボンは丈が足りていなかった。
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?(プロフ) - もちもさん» コメントありがとうございます！！そう言っていただけてとても嬉しいです！今ストックがなくなってしまって更新がゆっくりになってしまいますが頑張らせていただきます！ (11月7日 0時) (
レス) id: c0823c63c4 (このIDを非表示/違反報告)
もちも - 話の内容がめちゃめちゃ私に刺さりまくりで毎回脳が溶けていくような感覚がします笑🫠とっても面白いので続きを期待してます！ (11月5日 19時) (レス) @page28 id: e6a943ec70 (このIDを非表示/違反報告)
?(プロフ) - 翡翠さん» コメントありがとうございます！！そんなことを言ってもらえるなんて想像もしていませんでした！😭めちゃめちゃに嬉しいです💕 (11月1日 2時) (レス) id: 53aaf6ae71 (このIDを非表示/違反報告)
翡翠(プロフ) - お話がどタイプすぎて生きる意味が見つかった気がします＾＾ (10月31日 18時) (レス) @page25 id: 6c0d9e0967 (このIDを非表示/違反報告)
?(プロフ) - さいだーさん» コメントありがとうございます〜！んふふ、二人に振り回されてく展開をお楽しみください！頑張ります〜💪🏻 (10月30日 1時) (レス) id: 53aaf6ae71 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：? | 作成日時：2023年10月17日 2時
