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「あれから生理きた？」
「…？ きたよ？」
にっこり笑った大我くんの予想外の問いに、私は疑問を持たず素直に答える。
「そのこと、じゅりくんには？」
「わざわざ言わないよ」
「今からじゅりくんに、妊娠したかもって連絡してみ？まだ病院には行ってないって。簡易キットで陽性だったの、って」
なんでそんなことしなきゃいけないのって聞こうとしたけど、大我くんのわざとらしい優しい顔が崩れてなくて、私は訳も分からず携帯を取りだし樹に電話をかける。
「じゅりくんがAちゃんのことをちゃーんと好きだったら、お腹の子が誰の子であれ、一緒に育ててくれると思うよ」
そう言って自分の唇に人差し指を当てた大我くんはもう何も喋らなくなった。
一回、二回、三回とコールがなって、四回目が始まる前に樹は出た。
「A？どーした？」
「ん、と……」
「ん？なーに。さびし？」
甘ったるい声が機械越しに耳に響いて、今日雨で寒いもんねなんて関係ない話をし始める樹。
どう切り出すか迷う私を急かすように、大我くんがおへその下を人差し指でつついてくる。
「ぁ、あの、じゅ、じゅりぃ……」
思っている以上に自分から甘えるような、困っているような声が出てびっくりした。
実際どうしてこんな状況で樹に電話して何をしようとしてるのか、と理解が追い付かず大変困ってはいるのだが。
「どうした？困ってんの？なんでも、とりあえず言ってみなよ」
私の声が想定外のものだったのか、樹は少し困惑して真面目な声に変わった。
「わた、わたし、妊娠、してる、っぽい」
「……」
「っま、まだ薬局の簡易キットでしかしてないんだけど！」
「…………」
「じゅ、じゅり…？」
樹からの返事があまりにも遅くて、ちゃんと聞こえてたのかと名前を呼んでみる。
びっくりしてよく分かってないだけかな。
急にこんなこと言われたってびっくりするよね。どうしたらいいか分かんないよね。
まずどうすればいいか迷ってるだけ、だよね？
「あー…まず、産婦人科、だな」
「ぅん」
「えーっと……」
「ん、」
「中絶費用って、いくらくらい？…十万あれば足りる？」
「じゅり…？」
「堕ろすだろ？」
スピーカーにしていないのに、この静かな空間では樹の声がちゃんと大我くんの耳にも届いたようだ。
中絶という言葉を聞いて、大我くんは満足そうに笑ったのだ。
ほーら、なんて嬉しそうな大我くんの口パク。
私は心臓が嫌な音をたてて、冷や汗が止まらなくてしょうがないと言うのに。
大我くんが急に私を乱暴に、強く抱き寄せた。
私は何が何やら、ショックを受けたのか握力が緩んでスマホを手から落としてしまう。
「かわいそーなAちゃん」
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?(プロフ) - もちもさん» コメントありがとうございます！！そう言っていただけてとても嬉しいです！今ストックがなくなってしまって更新がゆっくりになってしまいますが頑張らせていただきます！ (11月7日 0時) (
レス) id: c0823c63c4 (このIDを非表示/違反報告)
もちも - 話の内容がめちゃめちゃ私に刺さりまくりで毎回脳が溶けていくような感覚がします笑🫠とっても面白いので続きを期待してます！ (11月5日 19時) (レス) @page28 id: e6a943ec70 (このIDを非表示/違反報告)
?(プロフ) - 翡翠さん» コメントありがとうございます！！そんなことを言ってもらえるなんて想像もしていませんでした！😭めちゃめちゃに嬉しいです💕 (11月1日 2時) (レス) id: 53aaf6ae71 (このIDを非表示/違反報告)
翡翠(プロフ) - お話がどタイプすぎて生きる意味が見つかった気がします＾＾ (10月31日 18時) (レス) @page25 id: 6c0d9e0967 (このIDを非表示/違反報告)
?(プロフ) - さいだーさん» コメントありがとうございます〜！んふふ、二人に振り回されてく展開をお楽しみください！頑張ります〜💪🏻 (10月30日 1時) (レス) id: 53aaf6ae71 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：? | 作成日時：2023年10月17日 2時
