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大我くんはゆっくりと、抱きかかえた私を地面に下ろしてくれる。
階段に向けてぶらぶらとしていた足が地面について、私は大我くんから距離をとって壁に背中をつけた。
そんな私を見て不思議そうに、コテンと首を傾げた大我くん。
じりじりと近づいてくる大我くんに、また樹に怒られちゃうという焦りが湧いて出てくる。
夢に出るほど考えてたが、いざ目の前に現れるとなると話が変わってくる。
私の焦りを感じ取ってか、大我くんは足を止めた。

「ねえ、なんでそんな逃げんの?」

素で不思議そうなその態度とか、さすがに傷つくよ?みたいな顔とか。
色々に罪悪感が湧いて、大我くんに対する警戒を思わず緩める。

「起きた時にいなかったこと、怒ってる?ごめんね、一日で出てく約束守んなきゃって思って…ね?」

それでも私が起きる朝までいることはできたはずでしょとか、出てくにしても一言言ってよ鍵開きっ放しじゃんとか色々文句言いたい。
そう言って突き返して、追っ払えばいい。
分かってる。分かってるのに。
濡れた髪と私の貸した体操服で、君しかいないのみたいな目で見てくるから。

「お風呂、入る?」

そのままどこかに追いやるのは、可哀想だと思ってしまったんだ。
すぐに顔色を明るくさせた大我くんは「いいの?」と言ってニコニコし始める。
私が小さく頷いたのを見て、濡れた手で私の手を取って歩き始める。
手握られたのいつぶり?もしかして初めて?樹は腕だったからなー……。
私の部屋の玄関の前で、早く開けて開けてと尻尾を振るような姿。
今更ながら本当に部屋に入れていいのか、苦笑いで思案しながら鍵を開ける。
本当にいいのかと迷っている間に、大我くんが先に中に入ってしまい私も引っ張られるように帰宅した。

「んー、Aちゃん久しぶり」

びちょびちょのまま抱きしめられて、私の服に水分がじんわりと沁みてくる。

「あ、の……濡らさないで」
「え?んはは、ごめぇん」

そう言って軽々しくキスをしてくる大我くんに、やっぱり入れるべきじゃなかったかもと早くも後悔が押し寄せてくる。
今からでも追い出してしまおうかなと、私より目線の高い大我くんを見つめる。

「どしたの?甘えた目して。もっかいちゅーする?」
「し、しない!てか甘えた目もしてない!追い出そうかどうか、迷ってるの!!」

今私は貴方を追い出そうかどうか迷ってて、主導権を握っているんだぞと主張する。
すると大我くんは悲しそうな顔をするんじゃなくて、目を細めて冷たく観察でもするような目に変わった。
私は思わずビクリと背を反らせて、一歩後ずさる。

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?(プロフ) - もちもさん» コメントありがとうございます!!そう言っていただけてとても嬉しいです!今ストックがなくなってしまって更新がゆっくりになってしまいますが頑張らせていただきます! (11月7日 0時) (レス) id: c0823c63c4 (このIDを非表示/違反報告)
もちも - 話の内容がめちゃめちゃ私に刺さりまくりで毎回脳が溶けていくような感覚がします笑🫠とっても面白いので続きを期待してます! (11月5日 19時) (レス) @page28 id: e6a943ec70 (このIDを非表示/違反報告)
?(プロフ) - 翡翠さん» コメントありがとうございます!!そんなことを言ってもらえるなんて想像もしていませんでした!😭めちゃめちゃに嬉しいです💕 (11月1日 2時) (レス) id: 53aaf6ae71 (このIDを非表示/違反報告)
翡翠(プロフ) - お話がどタイプすぎて生きる意味が見つかった気がします^^ (10月31日 18時) (レス) @page25 id: 6c0d9e0967 (このIDを非表示/違反報告)
?(プロフ) - さいだーさん» コメントありがとうございます〜!んふふ、二人に振り回されてく展開をお楽しみください!頑張ります〜💪🏻 (10月30日 1時) (レス) id: 53aaf6ae71 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:? | 作成日時:2023年10月17日 2時

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