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そんな私の様子に呆れた樹は、ジャケットのチャックを胸元まで下ろしてそこにカメラを向けた。
勝手に撮らないでと言う前に撮った写真を見せられて、私は口を開くだけ開いて固まることになる。
「一夜限りの相手にしては随分と執着的な男捕まえたもんだな」
私は下唇を噛んで、慌ててチャックを閉じた。
そんな私を見て樹は呆れた溜息をもらす。
樹の見せた写真には首筋だけじゃ飽き足らず、服の中にまで続いてるであろうおびただしい数の鬱血痕が映っていた。
綺麗にしてくれていて特に不快感もないからと、お風呂に入らなかったから。
いやていうか、たぶん、普通にボーッとしてたんだ。鏡も見ずに来ることなんてありえないし。
「あとお前最中に泣くタイプだろ。目元真っ赤」
そう言われて思い当たる節がある私は、被せられたバケハをなおのこと深く被り直した。
喪失に呆けて、鏡も見ずに外を出たこと。こんな姿を晒して家からここまで過ごしたこと。
知られるつもりなんてなかったことを、全部知られてしまったこと。
全部が全部恥ずかしくて嫌で嫌で、赤いやら青いやら分からない顔色を隠して俯いた。
「見なかったことにして」
「さーすがに無理。そんな気色悪いほどのキスマ初めて見たわ」
「っっていうか！一夜限りなんて私言ってないし！！彼氏できたかもしれないでしょ！」
「じゃあ彼氏なの？」
袖に腕を通して、机に手をついて立ち上がる。
だが勢いだけで言った内容は嘘だらけで、樹の言葉に黙って座り込むことしかできない。
そちらを見ずとも樹の呆れた目がこちらを向いてるのが分かる。
「俺おまえはこういうこといつかやると思ってたんだよな〜」
「はっ？ど、どこが！？なんで！？」
「対人関係興味ないです〜って顔して、全然男慣れしてない態度もろバレなところとか〜。カレカノをジッと見た後になんでもない顔装うところとか〜。興味津々なのバレバレ」
「そ、そんな、こと、ない……」
「知識だけついた中学生男子みたいな目でそこらのカレカノ見てんの気付いてる？」
「はぁっ、？そっ、そんなわけ…っ！」
「そんなわけあんの。みっともないからやめなよってずーっと思ってたよ俺は」
「そっ、そうなら、そのとき、い、言って……」
自分でも親に言えないようなことをしたという自覚があった。
だが樹が冷たく追い詰めるように責めるから、なおのこと罪悪感というか自分への嫌悪感というか情けなさが湧いてしまう。
関係あるようで関係のないことを持ち出されてると気付いていても、強く言い返せそうにはなかった。
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?(プロフ) - もちもさん» コメントありがとうございます！！そう言っていただけてとても嬉しいです！今ストックがなくなってしまって更新がゆっくりになってしまいますが頑張らせていただきます！ (11月7日 0時) (
レス) id: c0823c63c4 (このIDを非表示/違反報告)
もちも - 話の内容がめちゃめちゃ私に刺さりまくりで毎回脳が溶けていくような感覚がします笑🫠とっても面白いので続きを期待してます！ (11月5日 19時) (レス) @page28 id: e6a943ec70 (このIDを非表示/違反報告)
?(プロフ) - 翡翠さん» コメントありがとうございます！！そんなことを言ってもらえるなんて想像もしていませんでした！😭めちゃめちゃに嬉しいです💕 (11月1日 2時) (レス) id: 53aaf6ae71 (このIDを非表示/違反報告)
翡翠(プロフ) - お話がどタイプすぎて生きる意味が見つかった気がします＾＾ (10月31日 18時) (レス) @page25 id: 6c0d9e0967 (このIDを非表示/違反報告)
?(プロフ) - さいだーさん» コメントありがとうございます〜！んふふ、二人に振り回されてく展開をお楽しみください！頑張ります〜💪🏻 (10月30日 1時) (レス) id: 53aaf6ae71 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：? | 作成日時：2023年10月17日 2時
