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「えっ?ぁ、あっ?」

「大我くんって呼んでいいよ」

そう言われて頭をよしよしと撫でられるが、何故キスされたのかが訳分からなくて私は混乱するばかり。
目をぱちぱちとさせて、目の前の人を見る。

開いた口が塞がらない。なんで今キスされたの?
相手の理解できない行動に思考停止してしまって、何も言えず固まってしまった私。
そんな私に今度は相手が首を傾げて固まる。

「なっなな、なぁ、なんで、?」
「なにが?」

「なっ、なんでキス?どういう流れ?」
「ん〜?Aちゃんのことが好き〜っって俺の気持ちが溢れたから。そんな可愛い顔で教えてなんて言われたら、頼まれてないことまで教えたくなっちゃう」

柔らかな指先が、私の輪郭をなぞっていく。
今朝まで隣の女の人と恋人関係だったのに、簡単に私への好きと言う気持ちを口にする。
どう考えても信用ならないのに。警鐘が頭痛になりそうなほど鳴り響いているのに。

その頭痛すら愛おしいほど、この人の瞳で見つめられるのが、嘘っぽさがあろうが愛を囁かれるのが、今まで見えなかった心の隙間を埋められている気がした。

慣れない異性にバクバクと高鳴る心臓が、脳みそにバグを起こさせる。
ああどうしよう、明日、この人のこと送りだせる?
もし見つからなかったからと、ここに住まわせてと言われて、嫌だって言える?

言わなきゃ、言わなきゃなんだよ。

「た、頼んでないことは、しないで……」

かろうじて絞り出した言葉はそんなもの。
大我くんは「んはっ」と無邪気に笑って、私の髪を乱すように手を頭に添えて無理矢理上に向かせた。
俯いて逸らしていた目線を合わせられたと思ったら、全然目は合わずピントの合わない距離に大我くんの長いまつ毛があった。

「女の子のしないでは、して欲しい…だよね?」
「ちがっ……」
「それに顔、真っ赤だよ」

どう考えても迷信の思想を披露されても、強く否定できないのは事実顔が赤いせいか。
それともそう言ったのがこの人だからなのか。

「ぁ、え、ぅ……」
「ん?」
「や、やです、それ……」
「んふっ、どれ?んん?」
「ぜ、ぜんぶ……」

一生懸命逃れようとする私を嘲笑うように、その人は三日月のように瞳を細めて砂糖を煮詰めたような声で言った。

「やぁだ♡」

歯が溶けるような甘ったるい思いと、現実を思い知らすような全身の痛み。
ぜんぶぜんぶ、はじめてだった。

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?(プロフ) - もちもさん» コメントありがとうございます!!そう言っていただけてとても嬉しいです!今ストックがなくなってしまって更新がゆっくりになってしまいますが頑張らせていただきます! (11月7日 0時) (レス) id: c0823c63c4 (このIDを非表示/違反報告)
もちも - 話の内容がめちゃめちゃ私に刺さりまくりで毎回脳が溶けていくような感覚がします笑🫠とっても面白いので続きを期待してます! (11月5日 19時) (レス) @page28 id: e6a943ec70 (このIDを非表示/違反報告)
?(プロフ) - 翡翠さん» コメントありがとうございます!!そんなことを言ってもらえるなんて想像もしていませんでした!😭めちゃめちゃに嬉しいです💕 (11月1日 2時) (レス) id: 53aaf6ae71 (このIDを非表示/違反報告)
翡翠(プロフ) - お話がどタイプすぎて生きる意味が見つかった気がします^^ (10月31日 18時) (レス) @page25 id: 6c0d9e0967 (このIDを非表示/違反報告)
?(プロフ) - さいだーさん» コメントありがとうございます〜!んふふ、二人に振り回されてく展開をお楽しみください!頑張ります〜💪🏻 (10月30日 1時) (レス) id: 53aaf6ae71 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:? | 作成日時:2023年10月17日 2時

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