Lifetime【ST】Part2 (ページ12)

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優吾side

樹「ねー、ゆうご！
じゅり、ほくのかんびょうする！」

保育園へお迎えに行けば、にこにことそう報告してきた樹。

きっと友達に看病した子がいたのだろう。

優「んー？
樹は優しいね～、けど今日はまだダメだよ～」

樹「なんでー？」

優「ほくね、まだお熱あるの」

樹「じゅりもかんびょうしたいの！」

優「だーめ。じゅりもこんこん出てお熱も出ちゃうよ？」

樹「いい！ほくのかんびょう！」

こんなにも言うことを聞かない樹はちょっとだけ珍しくて、危うくいいよって言ってしまうところだった。

優「ほーら、はやく帰ろ。お菓子買ってく？」

樹「おかしいらない！ほくのかんびょう！」

これもまた珍しい。食は細いくせにグミとか飴とかは大好きなのに。いつも買いに行こっかーって言えばすぐに機嫌が直るくらいなのに。

優「もぉ～、あとは母さんに聞いてみないとわかんないし、先生困ってるから帰るよ～」

樹「…むぅ、ゆうごきらい、」

ぐずぐずの樹を抱き上げて、先生に挨拶。
俺の事嫌いという割には、俺の肩に顔を埋めて大人しくなった。

そりゃあ寂しいよな、ご飯食べるときも寝る時も、保育園にいる時も、いつだって隣にいる北斗がいないんだもん。

5歳の子にそれを分かれって言ったって難しいよな。

優「ごめんなぁ、ほくの代わりににぃにが一緒にいるから、あと少し頑張ろうね、」

樹「ん、きらいっていってごめんねぇ、」

樹の目から溢れ出す涙で、俺の肩が湿っぽいのは気付かなかったことにしておこう。

家に着く頃にはずっしりと重くなり、すやすやと眠っていた。