クリスマスソング 2 ページ8
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今までの時間、無駄だったんだなって思うと涙が出てきて、そういう時は仕事もうまくいかなくて。
私は精神的にもボロボロだった。
そんな時、励ましてくれたのは同じモデル仲間の玉森くんだった。
細身で色白で、とても綺麗な人。
私とミツの唯一の知り合いだった。
玉｢そんなに泣いてもいいことなんてないよ。
Aの笑顔が好きって人いっぱいいるんだからさ〜泣き止んで？｣
｢無理だよ。
だって、知ってるでしょ？
付き合おうって言われてたんだよ？｣
玉｢付き合う前でよかったじゃん。
お前のこと大切にできる人近くにいると思うけど。｣
｢…何いってんの？
冗談やめてよっ。｣
玉｢冗談なんかじゃないよ？
俺じゃダメなの？｣
こんなこともあって一方的に玉森くんを避けるようになって…。
誰にも相談出来ないのに辛い毎日だった。
そして12月になった。
｢クリスマスか…｣
(北｢クリスマス、恋人として過ごせたらいいよね。
あ、でもその日ライブだったわー。
彼女として、見に来てよ。｣)
彼の言ってた言葉を思い出す。
…あー、忘れよ。
玉森くんとはあれから少しづつ話すようになった。
気まずいままなんて嫌だったし、申し訳なかったから。
玉｢俺が好きであるのは自由じゃん。
だから、気持ちが落ち着いたら考えてみて。｣
…私、玉森くんのこと、好きになれるかな。
大好きだった彼の声が頭から離れなくて。
でも毎日テレビで流れていたあのニュースも頭から離れない。
クリスマスなんてなくなればいいのに。
ミツはあの人をライブに誘うんでしょ？
12月半ば。
1通の手紙が私のところに届いた。
宛先不明の手紙。
そこにはミツのバンドのライブのチケットが入っていた。
"待ってます"
そう書かれた文字には見覚えがあった。
｢なんで？｣
私の頭の中は
なんで？今更なんなの？
そんな言葉たちだけがよぎっていく。
｢行くわけないじゃん…。｣
びりびりに破ってゴミ箱へと捨てた。
12月24日。
今日は昼までお仕事がある。
みんな恋人とか家族とか友達とかと過ごすんだろうけど私は一人。
…一人になりたかったんだ。
そしてミツたちのバンドのライブの日。
インディーズからメジャーデビューするんだって。
それは素直に嬉しかったけど、辛い思い出が頭をよぎるからあの日から聞かなくなったミツの歌。
彼女として、祝いたかったなぁ…。
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作者名：yun
| 作成日時：2017年12月16日 8時
