片思い……6 ページ18
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私、松本の教え子だった北山くん。
私は大学院を卒業後、すぐに教師になることが出来たわけで、24歳で高校教師になった。
サッカー部の副顧問だったから、彼とは授業以外の時も話したりしてて、北山くんは同級生のことが気になってるっていう話もする仲に。
その話を聞くのが楽しみだったりした。北山くんならすぐ告白して付き合いそうなのに。
北｢俺の事全く興味無さそうだから｣
って悲しげに言っていた。
そんなある日、彼が高校最後の年になった時
北｢俺違う人好きになっちゃった〜｣
って言うから驚いた。
もうその子は諦めたんだの？なんて聞いたら
北｢諦めたって言うか、違う人を好きになったから。｣
私が準備室で作業をしている時だった。
まだ24の私はこの初めての高校教師生活でやることや覚えることばかりで、恋なんてしても無駄だって思ってたけど、まさか自分が教え子を好きになるなんて思ってもいなくて。
だからまた好きな人が出来たという言葉がグサッと刺さった感じがした。
なのに、
北｢…先生だよ。｣
って。
｢からかうのはやめて。
…飯田さんは？｣
北｢あいつはきっと藤ヶ谷が好きだから。
俺は今先生が好きだよ。｣
そんなこと言われても困るのは当然で、まだ一年目の新米教師が受験を控えてる大切な生徒と関係を持つなんて。
｢私は教師だから、そんなこといわれても困るよ？｣
気持ちがバレないように伝えた。
北｢教師じゃなかったらいいんだ？卒業したらいいってことでしょ？｣
｢え？｣
北｢卒業したら付き合ってくれるの？｣
｢そういう事じゃ…｣
北｢先生は、俺の事好きじゃない？｣
そう言われて直ぐに返事が出来なかった。こういう立場になった時なんて言えばいいんだろう。
北｢先生も俺の事好きでしょ？｣
上から言ってくる感じ少しイラッとしたけど、それは私が北山くんを好きって証拠のわけで、こんな自分が嫌になった。
北｢内緒で付き合って？俺絶対言わない、約束する。｣
そう言って手を引かれて抱きしめられて、突き放すことも出来ない私。この誰もいない準備室で、生徒と二人きりで、
北｢…キスしてい？｣
なんて言われたら…。
教師失格って分かっていながら生徒と関係を持った私。
北山くんと付き合った間はすごく幸せだった。
でも、卒業してやっと教師と生徒という関係から普通の恋人になれたって言うのにすれ違いの日々で喧嘩別れ。
…なんで喧嘩なんてしたのかな私。
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作者名：yun
| 作成日時：2017年12月16日 8時
