話したい (ページ9)

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松村くんページ9

あの日から浅田さんは毎日のように私に話しかけるようになった。

浅田「Aちゃんおはよ！」

から始まり、授業が終わると私のもとに来て

浅田「Aちゃんさ…」

と、ありとあらゆる話題を振ってくる。

……それが先週までの話。

最近、それがストレスになって、怖くて学校に行けてない。
部屋で1人、ただ本を読むだけの1週間。

『ピコン』

スマホが鳴って、通知を見ると田中くんからだった。

Juri『今から会える？』
『6人全員いるんだけど、話がしたい』

どうしよう…。

A『分かった』

そんなやりとりを2時間ほど前にして、今私達がいるのはファミレス。
隣では小さい子供とその子の親が笑顔で食事をしている。

私達の席はというと、お通夜後のような雰囲気が漂っていた。

田中「なんで学校来ないの？」

小さい子供に尋ねるかのように優しい声で聞いてくる。

A「浅田さんと話すの、こ、こ、怖いから…」

京本「何か言われたの？」

A「ううん…。で、でも、
こっ…心のどこかでバ、バカにしてるんじゃないかって思うとど、どうしても話せなくて…」

松村「……じゃあ、話しかけられないようにしよ。」

A「え？」

松村「朝は俺が迎えに行く。んで、学校でも授業終わったらすぐ話しかけに行くから。」

森本「北斗そこまでしなくても…」

松村「Aに学校は楽しい場所だって知ってほしいから。」

松村「小さい声で話せば、つっかえにくいんでしょ？」

A「何で……」

松村「Aが吃音のこと話してくれたあと、俺なりに調べたの。」

松村「実際に何か言われたわけじゃなくても、一回そういう経験すると不安になっちゃうっていうのも書いてあった。」

松村「大丈夫。俺が守るから。」

田中「お前一人でカッコつけんな笑Aちゃん、俺とも話してよ」

髙地「俺も。」

森本「俺も。もっと仲良くなりたい。」

京本「俺も。」

ジェ「俺も！！」

つくづくこの6人には助けてもらってる。

A「ありがとう…」

田中「んじゃ夜飯ここで食おうぜ！Aちゃん何食べるー？」

A「ん〜」

松村「決まったら言って。俺が言うから。」

A「ありがとう……じゃ、」

私が指さしたのはチョコバナナとマスカルポーネのパンケーキ。
田中くんに「主菜・副菜の概念終わったの？」って言われちゃった。