話したい

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田中side

松村「ねえ樹」

田中「ん？」

松村「俺Aちゃんに嫌われてんのかな？」

田中「なんでそうなる！？昨日まで表情筋ゆるゆるにしながらAちゃんとLINEしてたじゃん！」

松村「LINEは返してくれるんだよ。ただ問題がね、学校で話しかけるとまるで答えてくれねーの」



確かに北斗がAちゃんに話しかける光景はよく目にする。
でもAちゃんがそれに対して答えをはぐらかすのがいつものパターン。

あ、じゅったん分かっちゃった。
Aちゃん北斗のこと好きなんだ。
だからLINEでは話せるけど直接話すとなると……ってことでしょ？

俺さすが。


田中「北斗、任せとけ」

松村「嫌な気しかしない」









ということでAちゃんに早速LINEで聞いてみる。

Juri『Aちゃん突然でごめんなんだけどさ、北斗のこと嫌ってる？』



1時間放置されてやっと返信。


A『ごめん！勉強してて気づかなかった(汗)』
『全然嫌いじゃないよ！どうして？』


どーしよ。言っていいのかな？
でも言わなきゃ北斗、ずっと気にしちゃうよな…


Juri『北斗がAちゃんに嫌われてるかもって言ってたから』
『Aちゃん北斗が話しかけても応えてくれないって泣いてた』

ごめん北斗、ちょっと盛ったわ。







Aside

どうしよう…！
私が話し方がおかしいのを気にしたばっかりに松村くんのこと傷つけちゃった？

……ちゃんと言ったほうがいいよね。吃音のこと…


A『じゃあさ、そのことについてみんなに話したいことがあるの。お昼の時間、6人と屋上で話したい。』


Juri『分かった みんなにも言っとく』


大丈夫だよね……。


もう日付が変わる。
眠ろうとするけど、明日みんなに話すことを考えると緊張して眠れない……

結局その日は、4時間も眠れなかった。

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