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時間は何をどう願ってもゆっくり進むことはないのね…
小池A、浸っております。
ついに放課後。
みんながゾロゾロと教室を出て行くなかには
心配そうな眼差しを私に送る松村くんも含まれていた。
浅田「Aちゃん、ちょっとあっちで話しない?」
A「え、あ、いいよ…。」
黙って前を行く浅田さんに付いていくと、止まったのはトイレの前。
くるっと私の方を向いて、その整った顔にとびきりの笑顔を貼り付けて放った言葉は、
浅田「最近さぁ、調子乗り過ぎじゃない?」
A「…え?」
浅田「私知ってるよ。あんたが変な喋り方するの。この前こっそり聞いてたの。北斗くん達と話してるところ。」
あの、屋上に行った日だろうか。
浅田「中学の頃から北斗くんと一緒でさ、告白したのにフラれたの。私こんなに可愛いのに。」
身体中が強張って、息ができない
浅田「頑張って同じ高校に入って、一緒のクラスになれたと思ったら変な喋り方のやつと一緒にいるし。」
変な喋り方のやつは、私のことだろう。
浅田「だからあんたに近付いたのに、何吹き込んだのか知らないけど、北斗くんとずーっと一緒にいてさぁ…………迷惑なんだよ。」
何か言わなきゃ。言われっぱなしじゃだめだ…
友達作って何が悪いの?
そう思った。
A「と、と、と、っ……」
浅田「え、なにー?聞こえなぁい」
A「とっ、とっ」
もうやだ。このまま消えて無くなりたい。
そう思った時、私の言葉を遮ったのは
松村「なにしてんの。」
低くて、冷たい声だった。
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おすし(プロフ) - ぽんさん» 気づきませんでした!申し訳ございません。報告ありがとうございます。 (2021年4月5日 21時) (レス) id: 7b37edd1c5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おすし | 作成日時:2021年4月5日 14時