トロイの馬 (ページ7)

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「よし、こんなもんかな！」
「ありがとう。予想以上に早かったね」
「サンキューな、慎太郎」
「いやー、北斗から事情聞いた時はびっくりしたけど、力になれて良かったわ！」
「本当に助かったよ。」

彼との思い出、汚れた家具などは全てあそこに置いて行こうと決め、松村くんと二人で家具も見に行った。

買ったものは業者さんにお願いして組み立ててもらっても良かったのだが、私の貯金が底を尽き始めたため断念。代わりに松村くんがお友達を呼んでくれた。

二日かけて全ての設置が完了。
森本さんの他にも数人が忙しい合間を縫って手伝いに来てくれた。いつも話には聞いていたけれど、本当に個性的な人ばかりだった。

自分がどれだけ今まで狭い世界で生きてきたかを思い知らされたし、最後に向けての心の余裕も生まれた。
感謝してもしきれないな。

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そして迎えた今日。

珍しく他の誰かの香水の匂いがしない車に乗り込む。助手席のドアを閉めると同時にキスをしようとする彼。私が「ここじゃ嫌」と言うと、出会ったあの日みたいな笑顔を浮かべハンドルを握った。

車内では付き合いたてのカップルのように戯れ合った。あと少し、もう少しで、終わるんだ。

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