夜�� ページ34
＊
つい声に出てしまったが、ストーカーに異変は全くない。
安堵して、一瞬気を緩めた。
「あれ。佐久間？」
『ぅわ…、あ、うらたん…？』
「よ、今帰り？」
『あ、うん。丁度帰ってて…うらたんも？』
「俺も今帰り〜、良かったら送るけど」
「どうする？」
『あー…』
気を緩めた瞬間、車道から声をかけられた。
横を見れば、車の運転席からこちらを見ているうらたんだった。助手席の窓を開けて、こちらを覗き込むように見ている。そういえばこの人運転免許持ってたな。車なんて持ってたっけ。
ブルーな気持ちだったから、声を掛けられて少し躊躇してしまった。気づかれてないかな。
車で送ってもらえるのはすごく有難いけど、ストーカーもいるし、うらたんにまで迷惑をかけたくない。車のナンバーとか覚えられたらどうしよう。
「…あー、まあいいや」
「送るから乗りな。俺と帰ろうぜ」
『え、あ…その、』
「ちゃんとわかってる。大丈夫だから」
「俺と一緒に帰ろう」
『…じゃあ、お願い、します』
「よし、それでいいんだよお前は。俺に甘えとけ」
『…ごめんね』
「そんなに気にすんな、帰んぞ」
『…うん、ごめん』
ちらっと後ろを見たうらたんは、きっと気づいているんだろう。ストーカーの存在に。
後ろから来たんだから、バカじゃない限りは気づくだろう。しかもあのうらたぬきだ。気づかないわけがない。
気が利く彼だから、きっと気を利かせてくれたんだろう。
私が乗り込めば、寒くない？と声をかけてくれ、近くにあった毛布をかけてくれた。暖かい。毛布を被ったのを確認するとゆっくりと車が出発した。
「で、いつから？」
『え、？』
「さっきのやつ」
『…その、』
「あんま話したくない？」
『いや、その…そういうわけじゃ、ないんだけど』
「そっか、わかった。とりあえず…俺の家行こう」
「そのあと聞く、いい？」
『…うん』
「よし、じゃあ着くまで寝てな」
「着いたら起こすから」
『…ごめんね』
「はいはい、寝ろ」
暖かい毛布と、車の暖房。
微かに頬を撫でる温風。うらたんは、暖房とか暖かいの苦手なはずなのに私に合わせて暖かくしてくれてる。
その優しさに少し涙がにじみそうになったけど、心地よい車の揺れと、毛布と暖房の暖かさ、うらたんの微かに聞こえる歌声でゆっくり、微睡の中に落ちて行った。
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いちじょう。(プロフ) - ルキさん» コメントありがとうございます。アモアス実況者の方に同じ名前の方がいらっしゃったんですね、存じ上げなかったです…🫢たまたまということで笑 (2023年3月4日 12時) (
レス) id: 7840b8d5ca (このIDを非表示/違反報告)
ルキ(プロフ) - 夜撫でるメノウのコメント欄くどうとたかだが連続だったから某アモアス実況者かと思っちゃいました笑 (2023年3月4日 0時) (レス) @page14 id: 5d86928a65 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：いちじょう。 | 作成日時：2023年2月21日 12時
