普通の恋のお話。 (ページ29)

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文化祭前日。

エネルギーに溢れていた俺も、昨日の準備ではA先輩にアピール一つできず、、
というか会うことすらできなかった…。

……学年の壁…

感じてしまう壁。直面する壁。

今日こそは…！

俺は朝から準備しながら、教室を出て準備しなければいけないもの(ポスター貼りとか大道具運びとか)を選んで、、、

「光輝、わざと教室でるの選んでね？」

横の光成がニヤッと笑ってそんなことを言う

「…んなんじゃねーよ！笑」

光成にごまかしが効かないことを分かりつつも、
A先輩がいないか探す

「……黒田くん、あの…ちょっといいですか？」

あたりを見渡していると
後ろから声をかけられた

…誰だろ

「あ、えっと。」

横にいる光成を見ると、どうぞどうぞと言うように
その場を離れていった

「あ、うん、何？」

胸元のリボンの色で同級生だと分かり、
何か用事かなと思う

「…黒田くんは私のこと知らないかもしれないけど、、、私は知ってて…」

何が言いたいんだろう、この子
小さくて可愛いんだろうけど、俺はやっぱりA先輩の方が好きだなあ、、なんて…

比較するのはいけないことだけど
こんな時ですらA先輩を思い出してしまうのはだいぶ重症、、、

顔を赤めながら俯いた彼女が話を続ける

「文化祭の後、後夜祭、、空いてたりしますか…？」

後夜祭は、

A先輩と、いた…い…な

「んあ、えっと、後夜祭は、、」

たしかに予定はないけど。
はっきりと言えず困った俺の様子を感じ取ったのか
彼女は

「あ、やっぱりダメですよね、ごめんなさい！
突然変なこと聞いちゃってすみません笑」

と精一杯の笑顔で走っていった

やっぱ、後夜祭空いてるか確認取らなきゃだよなあ、、