普通の恋のお話。 (ページ20)

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少し照れながら湧くんの後ろから顔を出すA先輩

「…こうちゃん！」

目を丸くして驚いた表情で
光成の様子を伺うA先輩

「Aのえっと、、彼氏「じゃない！友達！！！」

光成の言葉に上乗せるように
彼氏でないことを否定する彼女を見て、

湧くんが彼氏じゃないことに安心するのと同時に
まだ光成のことが好きなんだなと思ってしまう

ようやく俺に気づいたのか

「わ！光輝くんっ！！この前はありがとう」

と声をかけてくれる

「クラスで集まれる子集まろーってなって、
元木くんとお祭り来たの！…って2人知り合いなの！？」

「そう！光輝とは地元も中学も一緒で！な！！」

「うん！A先輩と湧くんが同じクラスとか
世界狭いっすね！笑」

少し片隅に寄って湧くんと久しぶりの再会で
盛り上がってしまっていた
っていっても湧くんがひとりで喋っているだけだけど

「彼女はいーのー？笑」

笑いながら光成の肩に突進のようなぶつかりをしているA先輩の会話が聞こえてくる

「いいの！前からこいつらと来る約束してたし」

「そ…、彼女はクラスの子？」

さっきまでの明るさが一変して
少し寂しそうな、か弱い声になるA先輩

「いや、違うクラスの子だけど
…うん、いい子だよ」

照れながらそう言った光成に
暗くても悲しそうな表情をしているA先輩が分かる

俺はその場にいれなくて
A先輩の手を取って走った