普通の恋のお話。 (ページ15)

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土曜日が来た
電車に乗って待ち合わせ場所に向かう

9時50分。
10分前、まだA先輩は来ていない

59分

…あれ？今日、、だよな？

駅の時計が10時を過ぎたことを知らせる

10時2分

「ごめんっ、、待った？」

後ろからポンっと肩を叩かれてA先輩が来たことに気づく。

走ってきたんだろうな息が切れて
ハアハアと言っている

ミニワンピースにカーディガンを羽織って
ゆるく巻かれた髪は左耳にかけていて、
揺れているイヤリングが走ってきたことを物語っていた

…可愛い。今日も、いや今日は一段と可愛い

「いや全然！俺も今来たところなんで」

「うそ！暑かったでしょ？汗かいてる…
ほんとごめんね」

そう言ってすごく申し訳なさそうに謝るA先輩が愛おしくて仕方がない

「んー！なら今日は名前で呼んでください！」

何を急に言ってしまったんだろう

「へ？？名前！？」

驚いて目を見開いているA先輩

「光輝って呼んでくれたら許します！笑」

半ば強引に話を押し進める

「うゔ、、、こう…きくん…」

顔を赤くして照れながらも俺の名前を呼んでくれた

「もうっ…！！恥ずかしいじゃん！
行くよ！」

そう言って少し怒りながらも
映画館の方に先々と歩いていくA先輩

「待ってくださいよ！」

追いかけてAの先輩の横を歩く

少し口を尖らせて拗ねるところも可愛いくて
少し童顔のA先輩が年上だということを
更に忘れさせる。