【MSS.P】先生って呼ばないで【あろま.ほっと】

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季節は過ぎて冬。


最近は雪がチラつくとか言ってられないくらいの降り方をしている。


雪とか、楽しくないよなぁ。


冬は嫌いだ。


休みのたびに朝早くに起こされて雪かきを手伝わされる。


寒さには強いけど雪はやだよなぁ。ってえおえおの部活が終わるのを窓の外を眺めながら待つ。


「なーに、倉科まだ帰らねえの？」


便所サンダルをパカパカ鳴らして、寒そうに背中を丸めて廊下を歩いてくるあろま先生。


なにそれ、可愛い。


「友達の部活待ってるんです」って言うと、「ふーん」と興味なさそうに答える。


自分から聞いてきたのに、もう。


「お前そんな足出してよくもまあ、寒くないね。オンナノコは強いなぁ」と、私の足元を見て言う先生。


やだ、変態ちっく。


「これが武器だからね」
「武器ねぇ。その武器を舐め回すように狙ってくる輩もいるんだから気をつけなさいよ」
「なにそれ、先生のこと？」
「殺すぞ」
「…先生、よくクビにならないよね」


そういうと「うるせーよ」って悪態を吐くのと同時に「Aーお待たせー」というえおえおの声が背中から聞こえた。


「はーい！」とえおえおに返事をし私は首に巻いていたマフラーを解き、あろま先生の首に回す。


「先生寒そうだからあげるね！さよーなら！」


先生に手を振って背を向けえおえおの元へ駆けた。



でも、次の日も、その次の日も、ずっと先生がマフラーを巻く事はなかった。


それどころかわざわざ返そうとしてくる。


やめてよ、


「新しいマフラー買ったからそれいらないの！」
「おい、倉科」


少しでも私のこと思い出して、考えてほしかったのに…

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