雨ちゃん ページ4
「あ、きたきた」
シャワーを終えて店のカウンターへ戻ると既にお兄さんは私と同じような服に着替えてお酒を飲み始めていた。お兄さんが着ているのもこの店の貸し出しなのであろう。
近くまで行くとジョンヒョンさんがお兄さんの隣の席を促してくれた。
「…ちょっとは落ち着いた？」
「は、はい…ご迷惑おかけしました…」
お兄さんは飲みかけのグラスを片手に優しい声色で聞いた。
「ヒョンに聞いたよ、外でこの豪雨の中傘も差さずに泣いてたんだって？」
「…恥ずかしいのでそんな説明するように言わないでください…うぅ〜…」
「いや、だってヒョンがここに人連れて来るなんて滅多に無い事だからびっくりして…はい
これホットミルク。あ、これはお金取らないから安心してね」
ジョンヒョンさんはそっと可愛らしいカップに入ったホットミルクにチョコレートを１つ添えて出してくれた。
「すいません、恐れ入ります…」
「あはは、雨ちゃんは堅いな〜」
お兄さんは何の違和感もなく満面の笑みでそう言った。何の前触れもなく。
私の聞き間違えでなければ。
「あの、つかぬ事をお聞きしますが、雨ちゃんとはもしかして」
「やだな〜君の事だよ、ほら、雨の中で泣いて泣きすぎて自分も雨みたいになってたじゃん？だから雨ちゃんかな〜って」
我ながら良いセンスだと思うんだよねと呟きながらお兄さんはグラスの残りを飲み干した。
優しい恩人のようなお兄さんにこんな事思いたくはないんだけどもしかして、このお兄さん、ちょっと不思議さんなのでは…？
「このヒョン突然不思議発言すること多いんだよね…まぁ俺も雨ちゃんは結構可愛いと思うけどね？でも本当の名前は？」
「あ、パクです。パクなまえです。」
ほんの一瞬だったかも知れないし、もっと長かったのかもしれない。
それまでずっとにこやかで和やかだったお兄さんとジョンヒョンさんを纏う空気が、表情が張りつめたような気がした。
「…？あの…？」
「雨ちゃんね！」
「ちょっと私の話聴いてました？！」
「だって雨ちゃんって言うの可愛いじゃん？」
すぐにまた笑い出すものだから私はさっきの表情は気のせいだったのかも、この時はそう思っていたのだが
「僕はオニュって言います。皆にそう呼ばれてるよ、よろしくね」
「よろしくお願いします…？」
そう言ってグラスとマグカップで乾杯しているオニュさんと私を見るジョンヒョンさんの表情が曇っていることなんて知らなかった。
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海産物(プロフ) - 一部、誤字等の修正を行いました。 (2018年8月1日 0時) (
レス) id: 7e2e50893a (このIDを非表示/違反報告)
海産物(プロフ) - datura様初めまして!嬉しいコメント有難うございます（ ; ; ）オッパみ溢れるオニュを書きたい！という欲から生まれた作品なので嬉しいです…！これからも更新頑張りますのでたまに覗いて頂けると嬉しいです！ (2017年2月19日 23時) (レス) id: c45ee5a591 (このIDを非表示/違反報告)
datura(プロフ) - 初めまして！ジョンペンの私ですが、海産物さんの書くオニュ氏のオッパみにやられました…続きとっっっても楽しみです。お忙しいとは思いますが、ご自分のペースでゆっくり書いていただければ嬉しいです(*´ω`*) (2017年2月16日 22時) (レス) id: cc0aef44cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：海産物 | 作成日時：2017年1月4日 22時
