輪 ページ3
お兄さんに連れられて入ったこのお店はどうやらお洒落なバーのようであった。
中に居たのは店員であろう、えらくイケメンなお兄さん。
「うわ、ヒョンもびしょ濡れだけど君はもっと酷いことになってるね…テミ〜ン！」
「なに〜？」
ともう1人、現れたのはこれまたえらく美人なお兄さん。
「あっオニュヒョン遅かったね…て、うわぁ、ずぶ濡れじゃん」
「あはは、テミン久しぶり」
私を連れて来てくれた優しいお兄さんはどうやらこの2人共知り合いのようで和気藹々と話している。
「テミン、タオル持って来て。ヒョンが女の子を連れて来たことに俺は心底ビックリしてるけど今は取り敢えず突っ込まない事にする」
「すいませんご迷惑おかけしまして…」
申し訳なく、ぺこりと頭を下げれば隣で優しいお兄さんが「いえいえ」と笑った。
「俺はこのバーのマスタージョンヒョンです。よろしくね…って自己紹介続けたい所だけど、君もヒョンもびしょ濡れだし店のシャワールームあるから1回着替えてきた方がいいよ。うちのバイト服なら着替え貸せるし」
「何から何まで申し訳ないでず…うぅ」
優しいお兄さんの知り合いもまた優しいお兄さんであった。優しいお兄さんその2、又の名をジョンヒョンさんはシャワールームに案内してくれた後、着替えとタオルを持って来てくれた美人のお兄さんを紹介してくれた。
「こっちはうちのバイトのテミン」
「はいテミンです、よろしくね。そんでもってこれ着替えとタオル。さすがに下着までは無いからそこは何とかしてね！あ、誰もシャワー中覗いてその挙句乱入しようとか企んで無いから心配しないで！あはは」
素敵な笑顔でそう言ったテミンさんは私の中で
「美人だけど一言多いお兄さん」へ昇格した。
「君、ヒョンと知り合いってわけでもなさそうだけど…でもうちの店に入ってくれたからにはうちの大事なお客様だからね。外は雨も酷いしゆっくりしていってね」
とジョンヒョンさんは言って微笑んでくれた。
土砂降りの中傘も差さずに子供みたいに泣いている私を心配してくれて、見ず知らずの得体の知れない女をお店に入れてくれてシャワーまで貸してもらって…。
もう何もかもが不運続きで、何もかもが嫌になってたけど世の中にはこんなに優しい人もいるんだなぁ、あったかいなぁ。
そう思うとまた目頭がツンとした。
シャワーから流れるお湯に任せて私はまた少し涙を流したのだった。
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海産物(プロフ) - 一部、誤字等の修正を行いました。 (2018年8月1日 0時) (
レス) id: 7e2e50893a (このIDを非表示/違反報告)
海産物(プロフ) - datura様初めまして!嬉しいコメント有難うございます（ ; ; ）オッパみ溢れるオニュを書きたい！という欲から生まれた作品なので嬉しいです…！これからも更新頑張りますのでたまに覗いて頂けると嬉しいです！ (2017年2月19日 23時) (レス) id: c45ee5a591 (このIDを非表示/違反報告)
datura(プロフ) - 初めまして！ジョンペンの私ですが、海産物さんの書くオニュ氏のオッパみにやられました…続きとっっっても楽しみです。お忙しいとは思いますが、ご自分のペースでゆっくり書いていただければ嬉しいです(*´ω`*) (2017年2月16日 22時) (レス) id: cc0aef44cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：海産物 | 作成日時：2017年1月4日 22時
