Episode.00 ページ1
それはもう不運の連続だった。
高校を卒業してずっと働いてきた職場では
まさかの初歩的なミスをやらかしてしまい、
上司、そして取引先の企業にまで迷惑をかけてしまう事態となり、
もういっそ消えてしまいたいくらい
とさえ思い落ち込んでいた。
上司は「確認しなかったこっちも悪いから」
とフォローしてくれたが、それでもいつまでも成長しない自分が歯痒かった。
そんな時に偶然目撃してしまった付き合って2年になる彼氏の浮気現場。
どうやら全然進展しない、会う頻度も少なければ連絡もマメではない私との関係に飽きていたのだと思う。
最初は遊びだった浮気相手がいつの間にか本命になり、いつの間にか私が浮気相手になっていたのである。何という事だ。
そんな私を見かねた上司が景気付けに！と気を使って開いてくれた飲み会でも、
どうせ迎えにきてくれる人もいないから
と、お酒は少量しか飲まず、二次会にも行かず
そして可愛くないことに自力で帰りますと告げ
さっさと抜けてきてしまった。
非常に申し訳ない事は分かっている。
分かっているが何と無く騒ぐ気にはなれず。
私史上最高に卑屈になっているのだ。
本当に面倒な奴だと我ながら思う。
しかし終電にもきっと間に合わないし、
タクシーを使うにも「勿体無い」精神が出てしまい歩いて帰るつもりだったのだ。
が、
突然の土砂降り。
もう何なんだ、天気すら私を馬鹿にしている。
服もびしょ濡れだし、足はヒールで痛いし、
心配して連絡してくれる人もいない。
仕事もいつまで経っても半人前。
そう思うと突然泣きたくなってしまって
豪雨の中、私は親とはぐれた子供みたいに
しゃくりあげながら声をあげて泣いていた。
声を上げながらも心は落ち着いていた。
酔いがまわってるのかな、だとか。
ちょっと雨宿りするところないかな、とか。
あぁ、惨めだなぁ、とか。
そんな時だった。
「あの、ちょっと…大丈夫？」
そっと傘を差し出して声をかけてくれたその人との出会いが、私のこれからの生活に大きな変化をもたらすなんてまだ知らなかった。
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海産物(プロフ) - 一部、誤字等の修正を行いました。 (2018年8月1日 0時) (
レス) id: 7e2e50893a (このIDを非表示/違反報告)
海産物(プロフ) - datura様初めまして!嬉しいコメント有難うございます（ ; ; ）オッパみ溢れるオニュを書きたい！という欲から生まれた作品なので嬉しいです…！これからも更新頑張りますのでたまに覗いて頂けると嬉しいです！ (2017年2月19日 23時) (レス) id: c45ee5a591 (このIDを非表示/違反報告)
datura(プロフ) - 初めまして！ジョンペンの私ですが、海産物さんの書くオニュ氏のオッパみにやられました…続きとっっっても楽しみです。お忙しいとは思いますが、ご自分のペースでゆっくり書いていただければ嬉しいです(*´ω`*) (2017年2月16日 22時) (レス) id: cc0aef44cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：海産物 | 作成日時：2017年1月4日 22時
