白雪姫は愛されすぎる①《雪》 (ページ29)

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Lip cream (Fkzw) ページ29

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椅子に座って携帯をいじっていると

「Aちゃあん、ただいま〜」

先に衣装に着替えた辰哉くんに後ろから抱きしめられた

「良い匂いすんね、マジで」

『すぐ匂い嗅ぐのだめ』

「この匂いマジで好きなんだからいいじゃん」

辰哉くんは頸付近に顔を寄せながらわざとらしく鼻息を立てて匂いを嗅ぎだす

匂いを嗅がれて恥ずかしいのと、鼻先や息が頸付近に触れてくすぐったい

「この頸噛みてえ」

『っん、だめ』

「髪下ろせばいけんじゃない？ねえ噛んじゃだめ？」

『だめ、』

頸に顔を埋める度に、噛みたい噛みたい言ってきて、

何回ダメって拒んでも噛んでくるくせに。

とは言え口ではダメと言いながらも、目を閉じながらいつくるかわからない刺激を待っていたら、カサついた唇の感覚が

『、辰哉くん唇、、』

「んー？今言われた通り噛まないように我慢はしてんだけど、噛んでいいー？」

『そうじゃなくて、っん』

「あ、ここにちゅーしただけでそんな声しちゃう？」

『ゃあっ、』

「その声もっと聞きてぇー。聞いたら止まんなくなりそうだけど」

『っあ、、だめぇ、』

「ダメなの？ダメじゃないよね？あー可愛いなぁ」

ちゅっ、ちゅっ、と音を立てながら頸と首後ろを往復するように唇を押し当てられる

たまに舌を這わせてくるから、ゾクゾクとした感覚に襲われて

だけど、そのカサついた唇の感覚が気になるくらいにはまだ辰哉くんから与えられる感覚に堕ちきれていない

『ね、辰哉くんってば、』

「んー？？なによ〜」

『くち、乾燥してる、』

「....ん？」

『カサカサしてるよ』

「え、嘘....」

私の言葉に辰哉くんの動きはピタリと止まった

さっきまで上機嫌に言葉を発していたのに、か細い声へとあからさまに変わったのが面白くて吹き出しそうになっちゃった

抱きつかれている腕も力がなったことで簡単に腕を解くことができて

そのまま体を半回転させると、辰哉くんの顔は真顔になっていた

「俺の唇そんなカサカサ....？」

『うーん、カサカサだね』

「家出た時はそんなことなかったんだって」

『んーなんでだろうね』

「Aちゃん助けて、これAちゃんがキスしてくれたら絶対治んのよ」

両肩を掴まれると、辰哉くんら真顔のまま唇を尖らせて顔を近づけてくる

さっき触れた時はカサついていたのに、実際に見るとそんなにカサついている感じはしない

違う違う、今はそんなことを冷静に考えている場合じゃなくて、