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『っはぁ、はぁはぁ、』
やはり誰も居ない。
辺りは暗くて、肌寒い。
(寒い、そのまま出てきちゃったから…)
私はどうしてこんなにバカなんだろ。
(内田君のこと好きすぎてバカになっちゃうのかな)
冷静になると、少し恐怖心が生まれてきた。
校舎裏の二宮金次郎像がどことなく恐怖心を煽っているのは明らかな事。
(電話も繋がらないし…黙って待ってようかな…)
少し、と言うか結構落ち込みながらその場を後にしようとした。
「おせーよ」
『ぇ』
背後から内田君の声。
振り向くと、内田君の向く先には人影。
慌てて口許を押さえ、物音を立てない様に移動。
「片付けが長引いちゃって、すみません」
「先輩待たしたらいかんでしょ」
「篤人君って先輩でしたっけ?」
「おい、"篤人君"って呼ぶなよ笑」
「冗談です。すみません笑」
それは予想外な展開だった。
(ぇ、内田君?え?柴崎君、だよね、え?)
それはもう頭がパニックになるのは当然。
音を立てる訳にもいかず、動けなくなった私は用具入れを盾にして隠れる事にした。
動けなくなったというのは言い訳で、本当は二人の会話を盗み聞きしたかったのかもしれない。
(やだ私。変態…でもっ、気になるものっ!)
私が抱いていた胸のザワつきは、この事態に遭遇してしまう前触れか。それとも内田君と柴崎君の二人が会話をする事をエスパー的に感じとってしまった事なのか。
(どっちにしろ、まだザワザワしちゃう……)
グラウンドをチラッと遠目に見てみれば、真っ暗な景色に赤々と灯りが点いていてとても幻想的だった。
本来あそこに居る筈の私は今、身を潜める。
「そういえば、話しってなんですか」
ほんの少しの沈黙を破ったのは、柴崎君だった。
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ふー(プロフ) - 美波さん» 初めまして(*^^*)最初から読んでいて頂いてたみたいで、ありがとうございます(о´∀`о)忘れずに覚えててくれたことに感謝です…!本当にゆっくり更新しちゃうと思うのですが、また遊びに来て頂けると嬉しいです。コメントありがとうございました★ (2016年8月26日 1時) (レス) id: 7b244f7448 (このIDを非表示/違反報告)
ふー(プロフ) - 澪さん» わっ!お久し振りですー!覚えててくれてありがとうございます( ;∀;)お待たせしました〜(ToT)本当にゆっくりですが、また更新頑張りますね♪コメントありがとうございます! (2016年8月26日 1時) (レス) id: 7b244f7448 (このIDを非表示/違反報告)
美波(プロフ) - 初めまして!初こめんとです。でも、最初からずーっと読ませていただいてました。久しぶりに開いたら、更新されましたってきてて、本当に嬉しかったです!!更新楽しみにしてますね。ふーさんのぺーすで!まってます♪ (2016年8月21日 1時) (レス) id: 50fdf5e7bd (このIDを非表示/違反報告)
澪(プロフ) - ふーさん、お久しぶりです♪そして、お帰りなさい!待ってましたよ〜!これからも、ふーさんのペースで頑張って下さいね(*´▽`*) (2016年8月20日 1時) (レス) id: f2ccd5d125 (このIDを非表示/違反報告)
ふー(プロフ) - meggieさん» お久し振りです、こんばんわ。長い間お休みしてしまって、本当に申し訳ないです…。以前より更新頻度は少なくなってしまうかもしれませんが、少しずつ更新を再開していきたいと思っております!コメントしていただき、ありがとうございます! (2016年8月17日 21時) (レス) id: 7b244f7448 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ふー | 作成日時:2015年10月16日 2時