変わりゆく、日々【6】更新停止。

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静まり返る教室。





「どう、考えても……」





(……、柴崎君…………)





台詞忘れたのか、とか。

緊張してきたのか、とか。


周りが小声で話始めると、









「頭から、おまえが離れない」









柴崎君の目が、私と完全に合った。









「笑った顔も、怒った顔も、泣いた顔も」

「俺にとっては、すごい…輝いて見えんだ」

「もう、我慢するのはやめる……」



「一度は諦めた。諦めた、けど」









一瞬、内田君の顔が浮かんだ。









「俺はあいつより、おまえを幸せにできる」









その時、後ろから男の子の声がした。






「ちょ、なんかちがくね？」
「相手見るんじゃねーの、台本だと」
「岳テンパった？どこ見てんの笑」
「でもこっちのが良いかもな」







逃げない、逃げない。

とは思っても、私には制限時間があるわけで。


(あ、そろそろ戻らないと…)







「…………今なら言える。おまえのこと、」




(戻らないと、皆が待ってる。内田君が、)




「昔からずっと、ずっと、ずっと」




(内田君が待ってるから。早く戻らないと)









「好きです。大好きです」









劇を最後まで見る事は、とてもじゃないけど今の私には出来そうにない。


(時間も無いし、うん。時間が無いからっ)


ゆっくり教室を出ると、やや早めに歩く。




内田君に付けてもらった真っ赤なリボンを胸に当てながら握りしめる。

真っ直ぐ、真っ直ぐ内田君の元へ急ぐ。









「時間守るとか真面目すぎでしょ笑」






目の前を歩く大好きな貴方の腕を、必死に掴みました。

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