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この時期はすっかり暗くなってしまう空。
その空の下、私は柴崎君と公園のベンチに座る。
『文化祭、なにやるの?』
「え、言わないとダメですか」
『言わない理由は?嫌なの?』
「恥ずかしいんです。少しだけ」
『余計気になるよ笑』
「まぁ明日にはバレちゃうから言います」
『うん』
「…………演劇、を」
『演劇?』
「は、い」
『へぇ〜、良いじゃん良いじゃん!』
「見に来ないでくださいね」
『無理だなぁ笑』
「いや、ちょっと」
この感じ。
この、違和感の無い、自然な空気。
(やっぱり話しやすいんだろうな。柴崎君とは)
色々話したい事があるから、お喋りが止まらない。
「先輩達はなにを?」
『カフェだよ、無難に』
「A先輩さ、利益出そうとしてるでしょ」
『いやっそんなことっ』
「中学の時のたこ焼屋でも一人だけ…笑」
『や、思い出さないでくれる?!』
「そういえば真司君呆れてたなぁー」
『え。うそっ』
「金の亡者って部内で言ってましたよ」
『最悪ー!真司のやつー!』
暖を取っていたカフェオレは温くなり、少し冷えたかなと掌で転がす。
(あ、もうすっかり暗くなっちゃった。早いなぁ)
「暗くなるの早くなりましたね」
『ぇ、あ、うん。そうだね』
(同じこと考えてたんだ、柴崎君…)
そりゃ成長期、真司と共に一番中学時代を一緒に過ごした相手だから当然っちゃ当然。
(いや、普通思うよね。こんな暗くなったら)
「送ります」
『大丈夫だよ?』
「遅いですし、ぁ…」
『ん?』
「篤人先輩に怒られちゃいますね笑」
『や、それはっ』
「すぐそこだから、大丈夫ですよね、先輩」
はい、としか言えない言い方。
柴崎君は本当にいつも私を守ろうとしてくれてるのが、目に見えてわかる。わかってしまう。
「それじゃ、また」
『うん。また』
そう言って公園を走りながら出ていった。
久しぶりに話した彼は何も変わっていない。
強いて言うならば、髪が少し伸びた。
一緒に切りに行った時の短さが頭に残ってて、少し変な感じがした。
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ふー(プロフ) - 美波さん» 初めまして(*^^*)最初から読んでいて頂いてたみたいで、ありがとうございます(о´∀`о)忘れずに覚えててくれたことに感謝です…!本当にゆっくり更新しちゃうと思うのですが、また遊びに来て頂けると嬉しいです。コメントありがとうございました★ (2016年8月26日 1時) (レス) id: 7b244f7448 (このIDを非表示/違反報告)
ふー(プロフ) - 澪さん» わっ!お久し振りですー!覚えててくれてありがとうございます( ;∀;)お待たせしました〜(ToT)本当にゆっくりですが、また更新頑張りますね♪コメントありがとうございます! (2016年8月26日 1時) (レス) id: 7b244f7448 (このIDを非表示/違反報告)
美波(プロフ) - 初めまして!初こめんとです。でも、最初からずーっと読ませていただいてました。久しぶりに開いたら、更新されましたってきてて、本当に嬉しかったです!!更新楽しみにしてますね。ふーさんのぺーすで!まってます♪ (2016年8月21日 1時) (レス) id: 50fdf5e7bd (このIDを非表示/違反報告)
澪(プロフ) - ふーさん、お久しぶりです♪そして、お帰りなさい!待ってましたよ〜!これからも、ふーさんのペースで頑張って下さいね(*´▽`*) (2016年8月20日 1時) (レス) id: f2ccd5d125 (このIDを非表示/違反報告)
ふー(プロフ) - meggieさん» お久し振りです、こんばんわ。長い間お休みしてしまって、本当に申し訳ないです…。以前より更新頻度は少なくなってしまうかもしれませんが、少しずつ更新を再開していきたいと思っております!コメントしていただき、ありがとうございます! (2016年8月17日 21時) (レス) id: 7b244f7448 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ふー | 作成日時:2015年10月16日 2時