あざといアイドルに恋した。《Ryohei.A》Part3

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あ 「…お冷とおしぼりお持ち致しました」


目 「ありがとう」




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今も尚、メニューに目を通している彼。


この前のことをつい思い出して心臓がバクバク言ってる。


でも、こちらを見て来ない彼に正直助かった。


遊園地のことなんて忘れてるのかなぁ…なんて思ったのも束の間。




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メニューに目を向けたまま


目 「この間の告白の返事、考えてくれた？」


なんて呟いて来た。




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あ 「…えっ」


目 「ふは、ごめんね。急かしちゃった？」


そこで初めて今日、至近距離で目が合う。




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どうして目黒さんはこんなに余裕なの？


やっぱりこういうのに慣れている、から？




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目 「俺は良い返事しか望んでないんだけど？」


また悪戯にふはって口角を上げて笑う彼。




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確かに目黒さんはカッコよくて、優しくて、男らしくて…付き合ったら本当に幸せだと思う。


でも、でもね、やっぱり頭に浮かぶのは『あの人』で。


『あの人』以外あり得ないって、彼しかいないってそう思うんだ。




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言わなきゃ。


中途半端な気持ちで目黒さんに接していたら、失礼だから。きちんと。




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あ 「…ごめん、なさいっ」




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だって、目黒さんを傷付けたくない。




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あ 「…私、目黒さんの気持ちには応えられない、です」




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彼の目をどうしても見れない。


目黒さん、なんて言う？怒ってる？私のことなんてうざいってそう思っちゃった？


ううん、だって私が悪いんだ。




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目 「…やめてよ、Aちゃん。

謝らないで？余計に辛くなんじゃん」




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俯けていた顔を上げると、目黒さんが目を細めて微笑んで、そうして私の頭を優しく撫でた。




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