あざといアイドルに恋した。《Ryohei.A》Part3

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目 「じゃあ」


あ 「…はい」




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気まずい雰囲気の中、遊園地も閉園時間を迎えた。


大丈夫とは言ったんだけど、夜遅いからと家の前まで送ってくれた。


結局、歩いてる時も会話なんてなくて。





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キスされたことがまだ信じられなくて、頭の中が真っ白。


ファーストキスは目黒さんで…


初めてのキスは苦くて、苦しかった。




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目 「…あ」




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わざわざ送って下さったんだ。


せめて目黒さんの背中を見送ろうと


その場に立ち尽くしていると、彼がこちらを振り向いた。




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目 「返事ゆっくりでいいから」


あ 「…えっ」


目 「でも俺、マジだから」




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目黒さんが切なく笑った。


マジって…あのさっきの告白のこと？




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信じられない。


目黒さんはどうして私のことなんか好きになってくれたんだろう。


分からないよ、自分じゃとても。




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家路に着くともう時刻は２２時を回っていた。


今日は本当に色々なことがあった一日だった。


突然の目黒さんからの告白。そしてキス。




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あ 「…はぁ」




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分からないけど、なんだか泣きそう。




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一旦心を落ち着かせようと、テレビのリモコンに手をかける。


だけど、神様って本当に意地悪。


たまたま点けたテレビには、優しい笑顔で微笑んでる阿部さん。




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どうしよう。今、すっごく会いたい…




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そう思うのに、携帯を見てみても、何の連絡だってない。


けど、きっと無意識に阿部さんを求めていたんだ。


すがる思いで、彼のLINEの着信ボタンをタップする。




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せめて、せめて…


声だけでも、聞きたい。


いつもみたいに他愛ない話をするだけでいいの。




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…、…


1コール、2コール、3コール目。




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もう出ない。


そう諦めかけて携帯電話を耳元から離しかけた時だった。




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阿 『…もしもし？』




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大好きな優しい声が聞こえて来た。




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