幼い記憶 ページ41
❀
「…ふふ、怖かった？声を荒げてごめんね。でもそうさせたのは言う事を聞かないAだよ。母親のせいとはいえ、ずっと俺から離れていた君は、これから贖罪しないとね」
『…どういう意味、ですか』
「さっきも言っただろう、今日からここで俺と暮らそう。…返事は？」
タンタンと足を鳴らし、アイリスを見る。
『考えさせ…』「返事！！！！！」
ダンッと床を強く踏み、声を張り上げる。
父の剣幕に心臓がびくりと跳ね、その後小さな声で分かりましたと答える。
答えるしかなかった。
⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯
アクシアなあパタ姐、Aと連絡つく?
レインえ?そういえば昨日の打ち合わせ後からは連絡してないな…どうしたんだ?
アクシア昨日のお疲れ様って連絡に既読も付かなくてさ…。いつもその日中には返って来るのに
レインなるほどなー…何か作業してるとか?集中するとAちゃん凄いからな!
アクシアそっか…まぁもう少し待ってみるよ。さんきゅ!
レインいえいえ!それにしてもアクシアくん、Aちゃんの事気にしいだな〜!仲良くてニコニコしちゃうぞ!
アクシアいつもと違うと気になるだけだって!
レインふっふー!そうですかそうですか!
⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯
既に日が落ちてきて、窓からぼんやりと夕日を眺めていた。
有耶無耶にされ、圏外になったスマホを力無く握っていた。
ぶるりと身体が震え、しばらくトイレに行ってなかった事を思い出しそっと廊下に出る。
「トイレかい？それなら突き当りにあるよ」
直ぐ後ろから声を掛けられ振り向くと、父が立っていた。
『わ、分かりました…！』
急いでスマホをポケットに隠し、トイレに駆け込む。
スマホを確認すると、やはり変わらず圏外だった。
諦めて用を足し、さっきの部屋に戻り一息ついて、ふと思い立つ。
私立高校に通っていた時、校則でスマホの使用は禁止されていた。
それでも持って来て使おうとしても、専用の電波が阻害し圏外になる。
しかし窓から手を出すと、僅かに外の電波を拾うのだ。
友人がやっていた一連を思い出し、自分も窓から手を伸ばす。
拾って……！
祈る気持ちで画面を見ると、アンテナが一本立っていた。
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春瀬(プロフ) - 枯れなければ花として生き続けられる。凄く素敵な表現でグッときました。素敵な表現・物語をありがとうございます！ (2022年7月3日 9時) (
レス) @page21 id: eab317b5b8 (このIDを非表示/違反報告)
ソラ(プロフ) - 空翠さん» 空翠様:コメントまでくださり嬉しいです！楽しんでいただける様に頑張りますので、お待ちください☺️ (2022年4月5日 8時) (レス) @page2 id: dac873ab67 (このIDを非表示/違反報告)
空翠 - 最高ですね…ストーリーとっても素敵です！応援してます！ (2022年4月5日 7時) (レス) @page2 id: 18bb3d5b4e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ソラ | 作成日時：2022年4月4日 15時
