ꕤ ページ38
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「そうだよ。実はアイリスという苗字は君の母親の旧姓じゃなくてね。お陰で全く手掛かりが掴めなくなってしまった。おまけに今まで住んでいた所から程遠い、ここエデンに移ってしまったから。君は小さかったから覚えていないだろうけど」
『えっ……？』
「ああ、もうグラスが空っぽじゃあないか。次は僕オススメのカクテルを頼んであげる。あまくて美味しいよ」
『あのっ、一杯だけで…』
「折角来たんだしもう一杯くらいお飲みよ。なあに、今まで父親らしい事を何も出来なかったんだ。僕に任せて甘えると良い」
彼の力強い瞳に押され、持ってこられた新しいお酒を手に持つ。
そのアイリスの様子を見、満足気に自身の顎を撫でる。
「いやぁほんと…赤ん坊の頃から可愛かったけど僕の想像以上に美しくなって。傍で成長を見られなかったのが悔しいよ」
『もう…そんなに褒められると顔が熱く…』
言いながら視界が歪む。言葉を詰まらせ俯く。
さっき飲んだカクテルが喉を通る時、やけに熱かった。
「…おやおや、もうお眠かな？大丈夫、何も心配要らないよ。既にタクシーは手配してある」
最後に霞む視界で映ったのは、大層嬉しそうに立ち上がってアイリスを見下ろす男の姿だった。
⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯
⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯長く眠ってしまったのだろうか。
知らない部屋のベッドから差し込む微かな光に翌朝だと察する。
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春瀬(プロフ) - 枯れなければ花として生き続けられる。凄く素敵な表現でグッときました。素敵な表現・物語をありがとうございます！ (2022年7月3日 9時) (
レス) @page21 id: eab317b5b8 (このIDを非表示/違反報告)
ソラ(プロフ) - 空翠さん» 空翠様:コメントまでくださり嬉しいです！楽しんでいただける様に頑張りますので、お待ちください☺️ (2022年4月5日 8時) (レス) @page2 id: dac873ab67 (このIDを非表示/違反報告)
空翠 - 最高ですね…ストーリーとっても素敵です！応援してます！ (2022年4月5日 7時) (レス) @page2 id: 18bb3d5b4e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ソラ | 作成日時：2022年4月4日 15時
