依存症の彼女【HQ】

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「綾瀬、今日ジャージは？」



『あー、すんません。忘れちゃって。今日だけ制服で』



「ったく、初日から忘れんなよな。あ、スガってジャージの予備置いてなかったっけ？」



いや、なんか荷物軽いなとは思ったんだよ。休みが長いとつい忘れちゃうよね



「あーあるよ。綾瀬貸そっか？」



『あ、お借りしてもいいスか？』



「いいよ、部室にあるからそこで渡す。そのまま更衣室で着替えなよ」



スガさん、まじでお母さん



＊＊



スガさんに借りたジャージはやっぱり少しだけ大きかった。



背の高いメンバーが多いので、スガさんの身長の高さはあまり目立たないが174と平均よりは高いし、一応男子だからそりゃ大きいのは当たり前だけど



「間宮さん」



区切りのいい所で休憩に入った時、影山がそう声をかけてきた



『影山、私もう間宮じゃないから綾瀬って呼んでもらってもいいかな？ごめんね』



「あっすんません、つい癖で」



『いいよ。ちょっとずつ直してくれれば。で、どうかした？』



そりゃ、昔呼んでた呼び名をいきなり修正しろというほうが難しい



「あの、俺やっぱり綾瀬さんがバレー辞めたって納得いかないです」



『その話かぁ…。まぁ、いつか話すよ』



「…バレーは嫌いになってないんですよね？マネージャーやってるってことは」



『うん。ほら、休憩終わるよ。とっとといってらっしゃい』



私の答えに満足したような、してないような複雑な表情を浮かべた影山の背中を押す。



試合形式の練習をするとのことで、影山はコートの方へ入っていった




てか、さっきから思ってたけどあの金髪のお兄さん誰？



＊＊



練習が終わり、モップがけを手伝っていると誰だろうと思っていた金髪のお兄さんに声をかけられた



「あー、わり、自己紹介すんの遅れたわ。俺コーチの烏養」



『…烏養コーチ若返りましたね』



「いや、ちげぇよ！？多分お前が思い浮かべてるのは俺のじいさん！！」



『ああ、なるほど』



どうやら、烏養コーチは若返りではなく烏養コーチのお孫さんの烏養コーチらしい、紛らわしいな



あのあと、大地さんに「なんて失礼なこと言ってんだ！」って言われたけど、最初に紹介されてなかったし仕方ないと思う、たぶん。

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