れんとしょう ページ10
優太
「ちょっもうホンマやめてや〜〜」
不機嫌そうな廉の声に視線をやると、課題をしてる廉の背中にグデーンと反るように寄りかかってる紫耀。
そんな姿に少し微笑ましくなっていると、パチッと廉と目が合う。
「ちょ、ゆーた紫耀どうにかしてや」
「ふはっ、いいじゃん別に。邪魔なことないだろ。」
「いや、邪魔。大邪魔。」
そうは言っても無理やり除かしたりはしない廉は、成長した、と思う。
「紫耀、応援してんだよ廉のこと、ねー？」
「やったら尚更どいてほしい」
「んはは、無愛想な奴だなあ」
紫耀がこうやって廉に構うことは割かし少なくなくて。
何だろう、めちゃめちゃに甘やかす俺や懐いてくれる海人と違って、廉が自分から紫耀に近づくことはなかなかないから、手に入らないものほど欲しくなるみたいな、そういう心理かな笑
これがもっと昔なら廉がブチ切れて紫耀がパニクってって、お決まりのパターンだっただろう。
懐かしいなあなんて思いながらもその行く末を見守っていると、カプっと廉の肩に噛み付く満面の笑みの紫耀。
本気で嫌そうな顔をする廉(苦笑)に、そろそろ止めようかな、と考えてると、
「しょーお。噛みません。」
キレるわけじゃなく、冷静にそう諭す廉。
それを聞いた紫耀は、しゅんとした顔をしながらも、廉の隣に大人しく体操座りをする。
「よし、ええ子。」
なんて、廉が雑に紫耀の頭をワシャワシャする。紫耀はくすぐったいのか首をすくめるけど、その顔はやっぱり嬉しそうで。
年子なのに正反対の2人、どこか通じ合ってるとこもあって。俺はなんとなく、この家で1番相性がいいのはこの2人なんじゃないかな〜なんて思ってたり笑
終
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作者名：雲 | 作成日時：2019年12月29日 3時
