いつだってそばにいて (ページ33)

今日:12 hit、昨日:22 hit、合計:527,243 hit

かっとうページ33

海人

先生たちは、分かってない。

週に1回ある、道徳の授業。

「差別はしちゃいけません。」なんてそんな簡単な言葉で中学生がそれに従うなんて、本当にそう思ってんの？

今週は教材が、障がい者に関するものだったから、余計気持ち悪くて。

薄っぺらい言葉をつらつら並べていく担任を、何にもわかってないくせに、なんて睨んでたらいつの間にか授業が終わって、

今回も当たり前のように感想プリントは、1文字も書かずにバッグに入れた。

家帰ったらクシャクシャにして捨ててやる、

「なー、ガイジって見たことある？」

ほらね、誰の心にも1ミリも届いてなんかないから、さっさとあんな無駄な授業、なくなればいいのに。

「あっ！俺ある！」

俺と同小のやつがそう言う、嫌な予感しかしない

「海人の兄ちゃんがそーだよ！」

「は？ガチ？海人の兄ちゃんってガイジなの！？」

無視を決め込んで、フイッとそっぽを向く。

「あぁ、そうだぜ、いっつも泣き叫んでたよな？クソうるさかったもん」

「なにそれwww」

「ギャーーーーッ！」

しゃがみこんで耳を塞いで、紫耀の真似をするそいつに、無性に腹が立って、

.

気付いたら先生たちが沢山教室にいて、俺は先生に押さえつけられて、そいつの唇の端からは血が流れてて、

.