寝顔に愛 ページ10
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数ヶ月付き合った女は性格の悪いヤツやった。
嫉妬深い連絡魔で、他の女と少し話せば捨てられたと悪口を言いふらす始末。やっと他の男に乗り換えて別れてくれたとこやった。
「ついてないな」
ここ数年俺は恋愛運がない。見る目がないんやろ、なんて友人には言われるけど。優しさと癒しを求めて、優しい笑顔をした女に騙されてしまう。
寂しがり屋すぎるんかな。
いっそのこと家族が欲しい。おやすみを言い合って隣で眠ってくれるような、安心できる人が。
自宅のマンションで1人、弱い酒を飲みながら、久しぶりの孤独を噛みしめていた。
ピンポン、と呼び鈴が鳴ったのは、夜の9時半すぎやった。
こんな時間に誰やねん、と眉をひそめたが、宅配便が届いたのかもしれないと思い直し、インターホンをつなぐ。
「はい」
「あ、あの…デリバリーです」
男の声が答えた。デリバリー?変わった言い方やな、普通宅配便っていうやろ。まあええか。
「上がってきて」
俺の部屋は4階。1階の玄関にあるオートロックの解錠ボタンを押した。
しばらくして、部屋の前の呼び鈴が鳴った。
扉を開けてそこにいた人物を見たとき、俺は初めて自分の勘違いに気づいた。
宅配業者の格好なんてしていない。荷物も持ってない。
栗色の髪の毛をしたその小柄な男は、外が雨のせいか少し濡れていて。カップルで着るような可愛いめのデザインのルームウェアを着ていた。
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ななな(プロフ) - 突然すみません、、、。やすくんと年下組シリーズ大好きなので、次の更新を楽しみにしています! (2018年1月6日 1時) (レス) id: c139195854 (このIDを非表示/違反報告)
おはなし - ヤンマーの江戸時代設定のやつの続編はどこかにのせていらっしゃいましたか?質問失礼します、 (2017年12月15日 0時) (レス) id: 01c8da2026 (このIDを非表示/違反報告)
海(プロフ) - 更新待ってました!とっても嬉しいです。さらに大好きな学パロ、ヤンマーと2つも一気に読ませていただいて幸せでした!またいつか読めることを楽しみに待ってますね。 (2017年9月6日 18時) (レス) id: 55300828f4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もち苺。 | 作成日時:2017年9月5日 20時