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俺はアイスキャンディ、マルはチョコ味のモナカ。



ちゃんと水分補給もしてから、コンビニの前でアイスを味わう。



「夏やなあ…」


「暑いなあ…」



空を見上げれば太陽がまぶしい。


「章ちゃん、一口いる?」

「ええの?」



差し出されたモナカをぱくり、と食べると、「間接キスや〜〜」とかニヤニヤしながら自分もモナカをかじるマル。


「アホか」

「アホやもん。章ちゃんやって、顔にチョコついてんで」


「え?」



どこ、と聞いたときには、ほっぺにちゅっと唇が。


「ひゃ!へ、変態!!」

「可愛い!ごちそうさんでした!」

「ほんまにチョコついてた!?」

「ごちそうさんでした〜〜」



目尻を下げて笑うマル。まったく、油断も隙もあらへんな…。



マルは変態やしうるさいし振り回されるけど、こうやって2人でのんびりしていると昔からの友達やったかのように、何故かしっくりくる。



ぼーっと蝉の声を聞いてたら、マルがぽつりと呟いた。



「ほんまはなー、章ちゃん」


「ん?」



アイスの最後の一口を放り込んだマルは、景色を見つめながら言う。



「一目惚れ、やなかってん。いや、一目で惚れたんやけど」

「…?どゆことや」



いつも勢いに任せて好き好き言うてくるマルが、こんなトーンで語り出すのは初めてだった。



「初めて見たとき、部活帰りやろな、くったくたな章ちゃんが電車で立ってたんよ。なんとなく見てたら席が空いて章ちゃん、座れたんや」



いつの話やろか。マルが初めて話しかけてきたのが7月の半ば。じゃあその少し前?



「眠るんかなって思ってたら、少しして急に立ち上がって。どうぞ、て誰かに席譲ってん。それがな、40代くらいのサラリーマンやってん」



「あ」



思い出した。目の前に立ってたサラリーマンが、具合が悪そうで、席を譲ったことがある。確かに部活帰りのときやった。



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ななな(プロフ) - 突然すみません、、、。やすくんと年下組シリーズ大好きなので、次の更新を楽しみにしています! (2018年1月6日 1時) (レス) id: c139195854 (このIDを非表示/違反報告)
おはなし - ヤンマーの江戸時代設定のやつの続編はどこかにのせていらっしゃいましたか?質問失礼します、 (2017年12月15日 0時) (レス) id: 01c8da2026 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 更新待ってました!とっても嬉しいです。さらに大好きな学パロ、ヤンマーと2つも一気に読ませていただいて幸せでした!またいつか読めることを楽しみに待ってますね。 (2017年9月6日 18時) (レス) id: 55300828f4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:もち苺。 | 作成日時:2017年9月5日 20時

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