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「かけ布団薄いけど。入って」

「し、失礼します…」


自分の部屋着を着た男と寝るのは、奇妙な気分やった。


何しとるんや俺は、と客観的なささやきがしないでもないが、おずおずと布団に入ってころんと横になった彼が可愛いらしくてどうでもよくなってくる。


部屋を暗くし、常夜灯をつけた。



「いつもどんな感じなん」

「抱きしめてくる方もいれば、悩みを話してくれる方、個人的なことを質問してくる方もいます」


「ふーん…」


悩み、か。


せっかくやし、適当に話してみよかな…


「俺な、今日彼女と別れてん」

「え、今日…だったんですか」

「うん、でもええねん、早よ別れたかったから」


未練はかけらもない。ただ漠然とした孤独があるだけで。


「ひとりで寝てるとさ」

「はい」

「急に怖くなんねん。いつかほんまに1人ぼっちになるんやないかって。親も友人もそのうち俺から離れていったりしないかって…」


あかん。何言うてるんやろ。隣で寝とる知らん男に。


「…わかります」

「え?」


隣にこぶしひとつ分の距離を開けた彼が、ゆっくりと答えた。



「僕も、そうなんですよ。ひとりになるのが怖い。特に夜は…ひとりになると、この先のことを考えてしまうのが嫌なんです」



きっと誰もがそうですよ、と呟いた彼は、優しい目をしていた。



そうか。誰もがそうなんか。


俺だけ弱いわけとちゃうのかな。



深く考えず、いまは、そう信じたい気分だった。



「なあ、あんたさ」


「なんでしょう?」


「名前なんて言うん」



答えは本名ではないだろうと思った。それでもよかった。


「しょうたって言います」



「…しょうちゃんって呼ぶわ」



一夜限りの添い寝のはずやのに、なぜか俺はそう呼び名を決めた。


「…明日は土曜日ですね」


「せやな」


まだ11時すぎ。少しだけ話して、たっぷり眠ろう。


.

.


.



「おやすみ、しょうちゃん」

「おやすみなさい」


.

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ななな(プロフ) - 突然すみません、、、。やすくんと年下組シリーズ大好きなので、次の更新を楽しみにしています! (2018年1月6日 1時) (レス) id: c139195854 (このIDを非表示/違反報告)
おはなし - ヤンマーの江戸時代設定のやつの続編はどこかにのせていらっしゃいましたか?質問失礼します、 (2017年12月15日 0時) (レス) id: 01c8da2026 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 更新待ってました!とっても嬉しいです。さらに大好きな学パロ、ヤンマーと2つも一気に読ませていただいて幸せでした!またいつか読めることを楽しみに待ってますね。 (2017年9月6日 18時) (レス) id: 55300828f4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:もち苺。 | 作成日時:2017年9月5日 20時

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