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「…え、ちょ、誰」



急に怖くなり扉を閉めようとした俺を、そいつは慌てて止めた。



「ま、待ってください!わかります、初めてのお客さんはみんな戸惑いますよ。でもこれ、うちの添い寝屋の制服なんです」


「添い寝屋?」



聞いたことがある。最近女子に人気のサービスで、イケメンが添い寝だけしてくれるやつ。


「人違いやろ、俺は男やで」

「え、男性用の添い寝屋ですよ?ここエイトレジデンスの405号室ですよね」


予約入ってますよ、と濡れた手で差し出してきたスマホ画面には、確かに俺の部屋の住所が。



「…予約これ、いつ」

「1週間前の月曜です」


…あいつやな。こんなことするんは元カノしかいない。ちょうど大げんかした日やし。そういえば添い寝屋なんてもんがあると聞いたのもあいつからや。


「それ、元カノの腹いせや。キャンセルで」


「え…こ、困ります、もうキャンセル期間すぎて…くしゅんっ」


やけに可愛いらしいくしゃみが言葉をさえぎる。外は雨どころか嵐になっている。


…良心がズキズキと痛んだが、あいにく男と寝る趣味はない。



「悪いけど…ほんまに。タクシー代くらいやるから」


「そう、ですか…あ、すいませんちょっと」



彼のスマホが着信を知らせる。「社長」という通知が見えた。


「も、もしもし…ええ、着きました。あの…実は」



言いにくそうに、キャンセルが出たことを伝えている彼。この子まだ20代前半やろな、こんな仕事するなんて金に困ってるんかな…なんて考えていたら、電話口から物凄い怒号が。


『ええ加減にせえよ!おまえは客に甘いねん!今までなんぼキャンセル許してきた!?抱かれてもええから売り上げ持ってこいや!』



ちょ、おいおいおい。社長やっば。



「す、すいませんっ…」


泣いとるやんけ…、おい。




その大きくて綺麗な瞳から涙がぽろぽろこぼれ、鼻を赤くしてしゃくりあげる姿を見て、



俺は思わずスマホを奪い取った。



「すいません、気が変わりました。なんか寂しくなってきたんでこの子と寝させてもらいます、じゃあ」

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ななな(プロフ) - 突然すみません、、、。やすくんと年下組シリーズ大好きなので、次の更新を楽しみにしています! (2018年1月6日 1時) (レス) id: c139195854 (このIDを非表示/違反報告)
おはなし - ヤンマーの江戸時代設定のやつの続編はどこかにのせていらっしゃいましたか?質問失礼します、 (2017年12月15日 0時) (レス) id: 01c8da2026 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 更新待ってました!とっても嬉しいです。さらに大好きな学パロ、ヤンマーと2つも一気に読ませていただいて幸せでした!またいつか読めることを楽しみに待ってますね。 (2017年9月6日 18時) (レス) id: 55300828f4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:もち苺。 | 作成日時:2017年9月5日 20時

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