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ガムside
あの野郎、いつか個人的に始末したろか。
そんな邪悪な感情が芽生えるほど、ベタベタしつこくトッポに触る八幡。さっき尻にまでいったときはグラス叩き割りそうになった。
今度は肩を抱いて何やら囁いてるみたいやけど、会話がしばらく続いたあと、何故か八幡は不機嫌そうな顔になった。トッポが何か言ったんやろか?
しかしそれも一瞬で、再び和やかな雰囲気に戻り会話が再開した。俺は度数の低い酒を追加で頼む。
少ししてから、手洗いに行きたくなった。トッポに一瞬目配せし、席を立つ。
個室トイレの中は、やけに音楽が大音量で流れていた。眉をひそめつつも水を流し、出ようとすると…
「…は?なんやこれ」
スライド式の鍵を開け、扉を押しても開かない。は?え?
「おーい、すいません!」
清掃がきて、重い物でも置かれたか?と思い声をかけるも、音楽がうるさくて掻き消される。
とりあえずヤバイ、と思ったときには、身体が動いていた。
思い切り扉を蹴り飛ばす。狭い個室では反動がつけられず、一発では開かなかったが、めげずに数発蹴り続けると、鈍い音がして扉が外れた。
外に出てみると、案の定扉を開かなくする器具が取付けられていた。
急いでホールに走り出た。トッポがいない。あの野郎も。
「お客様、どうされましたか?」
「しらばっくれんなや。扉に変な器具つけたんはおまえか」
「え、何のことですか?」
明らかに嘘を隠した表情のバーテンダー。こいつ、言い逃れられるとでも…いや、落ち着け。
「あんたやないんか、じゃあさっきの客やな。2人おったやろ?」
「あ、ああ、今しがたお会計されましたよ」
「ほんまか?店の奥にかくまってんちゃうやろな」
「いい加減にしてください、け、警察呼びますよ!」
白々しい、呼んでみろや…と、やり合ってる場合ちゃう。トッポはどこや!?
「おい!おっさんら!おらへんのか!返事せえ!」
大声で店の奥に呼びかけた。トッポ、まだおるなら返事してくれ…。
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るーしー(プロフ) - ガムトポすごく萌えました😭最後の鈍感トッポが、可愛くて可愛くて可愛すぎます。。ピンチに駆けつけるガムもかっこよくて、最高でした😭素敵な小説をありがとうございます! (2023年3月23日 2時) (レス) @page10 id: f4098d03e8 (このIDを非表示/違反報告)
もち苺。(プロフ) - あかかめさん» ありがとうございます!私もヒロイン感あるしょうちゃんが好きです笑 この先もゆっくりではありますが頑張るのでよろしくお願いします!! (2017年9月5日 20時) (レス) id: e64daadfce (このIDを非表示/違反報告)
あかかめ - 今更ですが全シリーズ読ませて頂ました…!章ちゃん受け+受けが危ない感じになって助ける的なお話が大好きなので生き甲斐になってますwお忙しいでしょうが無理せず頑張って下さい!長文、乱文失礼しました。 (2017年8月8日 20時) (レス) id: dd37e16602 (このIDを非表示/違反報告)
もち苺。(プロフ) - とまころろさん» いつもありがとうございます!これからもなかなか書けない期間があると思いますが、たまーにでも覗きにきていただけたらと思います。これからもよろしくお願いします! (2017年7月13日 23時) (レス) id: 9309636f94 (このIDを非表示/違反報告)
もち苺。(プロフ) - 青菜はやとさん» いつもありがとうございます。切甘は難しいです!笑 でも可愛いヤスくんは全作品に欠かさず書いていきたいです笑 (2017年7月13日 23時) (レス) id: 9309636f94 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もち苺。 | 作成日時:2017年3月23日 22時