やすくんと年下組 part11

あい変わらず、あいして ページ34

章大side


マネージャーが運転する車に乗り込む深夜1時。


目的地は彼の家。数時間前には帰っているはずで、すでにベッドの中だろう。またテレビもつけっぱなしなんやろな。


付き合って何年経ったか考えることすら減ってきた。メンバーには、夫婦感出てきたんちゃう？なんて言われるけど、ほんまにそうやろか。


マンションの部屋に入ると、微かにテレビの音声。寝室をそっと覗いてみる。



「ただいま。」



ベタな恋愛ドラマのように、恋人が帰ってきたら気づいて飛び起きるだとかそんな展開はない。


…ただ、いつもと変わらぬ大きな身体が熟睡していることに肩の力が抜けた。


はだけた布団を掛け直してやり、顔に目を向ける。しわが増え、肌も着実に歳を重ねた大倉の、それでも凛々しい鼻筋と眉。



引き寄せられるようにキスをした。


キングサイズのベッドを眺め、過去の思い出が胸に広がるのを苦しく感じて、部屋を出た。




隣の部屋は、もともとただの物置やった。今は俺のベッドとタンスが置かれている。


そう…変化はここから始まったんやな。



深い意味はなかった。お互い帰る時間もバラバラやし、一緒に寝ようとすると相手に気を使う。それなら、仕事のときは別々に寝ようと2人納得して決めたことやった。


若い頃と違って、睡眠不足をごまかしながらいちゃいちゃする体力がなくなったのも仕方ない事実。



でも。


思えばそれから、俺らは…いや、大倉は変わった。


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